2011年12月25日日曜日

アガサ・クリスティー,清水俊二訳「そして誰もいなくなった」

孤島に集められた10人のお互いに見知らぬ老若男女.主催者はそこにはいない.突如レコードがかかり,全員の過去の悪事が暴かれる.そして,一人が死んで・・・
このミステリーの面白いところは,探偵役がいないところである.誰もが容疑者となりうる.終盤の緊迫感は呼吸すら忘れる.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月29日土曜日

西尾維新「難民探偵」

 西尾維新が書いた普通のミステリー.過剰な言葉や,異常なほどたっているキャラはいない.きれいにおさめるという実験なのだろうか?

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月24日月曜日

ヨハンナ・スピリ作,竹山道雄訳「ハイジ」

 おじいさんに預けられた少女ハイジとそのまわりの人々との温かい交流の話.質感を楽しんでほしい.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月23日日曜日

本田宗一郎「スピードに生きる」

「個性の入らない技術は価値の低いものである。」
「知識は死んでいる。過去のものだ。知恵は生きている。いまのものであり、将来のものだ。」
「遊ぶときはには、徹底的に遊んでこそ、仕事への情熱もわくというものである。」
「進歩を運命づけられた人間の辞典には、不可能という言葉はあり得ないと私は考える。」
「昔からほんとの技術屋は、それをつくった人の思想がわからなければ技術屋として一人前でないといわれている。」
「技術屋でいちばん足りないものは技術ではない。われわれは商品をつくっているのだから、やはり人間の研究が一番たいせつだということになる。」


本田宗一郎は静岡県に生まれ自動車修理工として働くが,修理ではなく新しいものを作るようになった.メーカーに勤める人間は一度は必ず読むべき本である.これほどまでに暗誦したいすばらしい言葉が多い本も少ない.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月12日水曜日

太田光「爆笑問題太田光自伝」

「だから、つくづく、”自分ひとりで、何かやってんじゃねぇんだな”と思うんです」

 0歳から35歳までを1歳ずつ振り返っていく虚実入り混じった自伝.
 後半になると表現について本気で語っているように思える.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月11日火曜日

オルコット作,谷口由美子訳「若草物語」

人生において幸せとは何か?地位や名声を得ることではなく,愛する人たちに囲まれてすごすことである.
いい人ばかりの話は読んでいて気持ちいいな.

オールコット作、矢川澄子訳「若草物語」

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月10日月曜日

知の既得権益を壊す企業

http://cunited.jp/
この会社は学びたい人と教えたい人をつなげる事業をしている.この事業は社会の仕組みの変革を担うかもしれない.
一つ目の理由として,この事業は国家が持っていた「教育」という権力の剥奪に役立つことだ.教育は学校で行われて,国家に役立つ人材を育てるために行われる.しかしこの事業では学校以外の場所で知識の流通を手助けする.
二つ目の理由は,この事業は専門家集団で閉じられた知識とは別に,新しい知識の価値を提案していることである.専門家集団はピアレビューで質の担保を行いつつも,悪い面として自分たちの考えに合わない思想に存在価値を与えてこなかった.この事業は知識の権威付けから逃れて,知識の受け渡しをするごく小さな小集団の中で知識に価値を与えている.専門家集団の知識は現在非常に高値で取引されている.学会に入らなければ知識は手に入らず,論文誌は非常に高価なので個人で読むには経済的負担が大きい.にもかかわらず,大学には多くの税金がつぎ込まれている.それに対して,この事業では運営会社が知識の値段をつけて,専門家集団とは別のローカルナレッジを上手に流通させている.一般にローカルナレッジはローカルでおさまってしまって,必要とする人間が発見するのが難しい.よって埋没してしまっていた.この事業は,市場に出す知識を見つける,市場をつくる,がポイントであろう.
知識の既得権益に対抗して,新たな市民社会の創生のための知識の流通がより活発になることを期待する.

2011年10月9日日曜日

聞いた言葉25

私の仕事は転職したい人に考え直すように言うこと.3000人の転職のお世話をしたが,私のことを恨んでいる人はいない.

-ヘッドハンティング会社社長

2011年10月8日土曜日

リードエグジビションジャパン株式会社

展示会を行う会社から来たメール.すごいワンマンの会社ではないかと推測される.
簡単にいうと,リードエグジビションジャパン株式会社はキモい.
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※ 本メールは、弊社主催の展示会参加者をはじめ、ご関係の皆様に
社長の石積ならびに弊社の活動をお知らせするものです。
(中略)
リード社長の石積は、同日開かれたオープニングの祝賀パーティーに、
日本最大の主催会社社長および日本展示会協会会長として招待された。
早朝、展示会場に到着した石積は、その壮観さに圧倒され、しばらく言葉を失っていた。

■ 韓国最大の展示会場と 度迫力の祝賀パーティーの模様を一挙公開! ■
(カラー写真付き記事全文)
↓   ↓   ↓
http://cc.reedexpo.co.jp/?e=6Uo0ua5Ji7wH11rwwbZ
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2011年9月27日火曜日

西尾維新「零崎人識の人間関係」

無桐伊織の描写が好き.大変なのに,悲壮感があんまりないところが特に.
最後に読んだのが,『戯言使いとの関係』だった.地味だったけど,一つのテーマを多くの面から書いているのが面白かった.

これで,戯言シリーズと人間シリーズを読み終えた.こんなに寝不足と戦いながら本を読んだのは久しぶりだよ.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月26日月曜日

西尾維新「零崎曲識の人間人間」

 武器が地味だから,バトルシーンも派手にならないのかな.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月25日日曜日

西尾維新「零崎軋識の人間ノック」

「クビツリハイスクール」であまり活躍できなかった萩原子荻や西条玉藻が活躍する話.バトルと頭脳の両方の戦いを楽しめる.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月24日土曜日

西尾維新「ザレゴトディクショナリ」

戯言シリーズと人間シリーズのネタバレ本.それとは別に西尾維新の創作話は異常なほど心を衝く.

・『クビシメロマンチスト』は二日だか三日で書き上げた.
・一週間に一作,一ヶ月に四作.一日原稿用紙百枚二百枚.
・いいものはそれにとって最速で仕上げる
・迷いながら描いた小説が名作になるとは思えない.
・「直感と決断。あとは自信。ついでに酩酊。それだけだ。」

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月23日金曜日

西尾維新「ネコソギラジカル」

「だったら一緒に、死んでくれる?」

戯言シリーズ最終話.
戯言シリーズのよさは一人称の語りだからだろうか.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月22日木曜日

「原発災害をめぐる科学者の社会的責任――科学と科学を超えるもの」


 シンポジウムに行った.
http://shimazono.spinavi.net/?p=247

 学術会議が企画したが,お金がないので,哲学学会がお金を出したらしい.学術会議には清貧の思想があるのだろうか.でも,名誉欲だけでは続かないと思う.
 参加者は300名ほどだろうか.大教室の席は埋まっていた.
 今回の「科学者」は人文・社会系を含む.

 唐木英明さんは「安全の科学」の実施を訴えていた.リスク評価は,科学だけに基づき,科学者・研究者が行う.問題点として不確実性があるが,すべてわからなくともリスク評価をしタイムリーに見直していけばよい.それは「学究の科学」と「安全の科学」の違いである.その評価を受けてリスク管理は政策決定者が行う.
 所感.タイムリーに見直しても,過去の判断によって科学者は間違ったといわれるのだから,科学者は誰もやりたがらないだろう.研究者がリスク評価をやっていたら,人手が足りない.実際はマニュアル化して,政府機関が行なわければ無理だろうが,評価対象が多様化していれば,実際は無理であろう.あまり具体性のない案だと思った.

 小林傳司さんはトランスサイエンスやポストノーマルサイエンス,SHEE Scienceの話.問題の捉え方を紹介していた.専門家だけではなく市民も参加することで,もし失敗したとしても「納得できる失敗」にする.自著「トランスサイエンスの時代」の引用が多かった.
 所感.改めて着眼点の鋭さを感じる.一言一句を聞き逃さないようにする自分を発見する.
 
 押川正毅さんは,「科学的評価」は「正しい」か?,について.疫学調査は対照群の設定が重要である.広島原爆の調査では対照群とされた集団でも実は被曝の影響があったため被害の過小評価がされていたという指摘がある.今回は科学的方法の限界を理解して,史料批判に代表される歴史学的な観点や方法などを導入すべき.
 所感.福島原発問題は,科学的に正しいかどうかではなく,人がいかに幸せを手に入れることが出来るかである.科学的方法,科学的知見に拘泥することなく,大目的に沿った解決策を望む.
 
 鬼頭秀一さんは,科学者の「科学的」「判断」「責任」について.
1. 科学的厳密性に基づいた判断
2. 上位レベルに外挿した上での判断
3. 社会的経済的政治的問題を含む,技術官僚的政策担当者的な立場での判断
 各々で責任の取り方は違う.科学者は2,3での責任を1に逃げ込むような形にして,責任を取らない.安全判断は1ではありえず,2である.
 所感.これも問題の整理をしてくれた発表.立場の違いを超えて,どうやったら協力できるのかを考えていきたい.
 
 島薗進さんは,議論の場に多様な人材を入れよう,と訴える.市民は特定専門家集団の情報提供が不十分であると判断し,不信感を強めてきた.その理由の一つは,狭い範囲の専門家の閉ざされた内輪の合意点を公表し,市民がそれに従うように強いるように感じられることであった.今後は「公開性と双方向性をもった科学コミュニケーションを目指し,市民との信頼関係を育てるように努めていきたいものだ.」
 所感:上記の最後は配布資料から引用したもの.科学者としての決意を感じる.

 パネル討論では,安全の判断は誰が行うかという議論が出た.
 唐木さん:純粋科学は一つの説に対して賛成・反対が出るのは当然.安全の科学は一致させるから結論が出る.
 小林さん:ICRPは純粋科学の団体ではなく,ある種の割り切りをする機関.ICPPも同様.ICRPによって安全の線引きはなされるが,その判断を金科玉条にするかは別の段階の議論である.
 首相官邸HPには「科学者からの提言は一致しなければならない」とあるそうである.(島薗さん発表より.)政府は一つの意見だけを出したために,市民が何を信じればいいのかわからず,市民の間で余計な諍いを発生したように感じる.科学的見解は複数ある,と宣言してもよかったのではないか.非常時においてパニックになるのは政府などのエリート層であるそうだ.愚劣な大衆には単純な情報提供を,とは思わないでほしい.

 小林さん:第4次科学術基本計画には原発に対してテクノロジーアセスメントを行うとある.
 非常に革新的な発想であるが,いきなり原発か.誰がやるのだ?サセックス大学でSTSの博士をとった人が東大にいるが,肩書き的にまだできない気がする.城山先生を頭に据えて,実質その人が行うのだろう.

 小林さんの最後のコメント「人文・社会系は自然科学系の人材育成に貢献してきたか?」が心に残った.私は自然科学系の訓練を受けてきたが,自分から得ようとしない限り,人文・社会系に触れることはなかった.自然科学系学部・研究科のカリキュラムを見る限り,教員が人文・社会系が必要だと思って実行に移しているのは少ない気がする.

 「提言」という言葉が多く使われていたが,大学の人の提言は実社会にどれほど影響を及ぼすのだろう?科学者の責任について深く考えるのがシンポジウムのテーマであったが,そもそも責任があるくらいの力を科学者は持っているのだろうか?企業人からすれば,大学が何を言おうとも企業はあまり気にしないような気がする.そして,提言だけされてもあまり責任感があるようには思えない.
 しかし,私は大学には期待する.長期的な考えは企業よりも大学の人の方が能力と時間の観点からできると思う.それを提言で終わらせるのではなく,ロビー活動など清濁合わせ込んだ行動を通して,実現への道筋をつくってほしい.提言だけではなく計画まで,できれば実行まで.

 司会が酷くて聞いていられなかったのは,ここで書くことではないな.

PS:
 会終了間際に,会場の男性が「私は東京大学名誉教授だ.私はここでみなさんが知らないことを伝えたい.」とわめき始めたときに,会場中がうんざりした.近くにいた年の近い男性が「そんなはしたないことはしなさんな」と言ったのに,私は大うけした.

2011年9月11日日曜日

西尾維新「零崎双識の人間試験」

  言葉遊びに,意外なストーリーに,緊迫感のある戦いの描写.すごすぎる.西尾維新にこれから入るのもいいかもしれない.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月4日日曜日

西尾維新「ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹」

 言葉遊びの天才.続きを読ませる作品を書く天才.
 最終話への準備を整ってきた.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年9月2日金曜日

シラー作,桜井国隆,桜井国隆訳「ヴィルヘルム・テル」

 響く言葉もないし,リンゴのくだりは呆気ない.
 何が面白いのだろ?

評価:☆
(1-5で基本は2)

2011年9月1日木曜日

ソウル

 街に着いて歩いているときの,外国を歩いている高揚感が皆無だった.3日目くらいにやっと外国にいる実感がわいてくる.それくらい,日本との違いがわからない.
今回は現地の友人にいろいろ紹介してもらえたが,一人用レストランが少ないので一人だと食べにくい.
 北朝鮮との国境に行った.多分韓国は仲良くしたいのだが,北朝鮮はトンネルを掘って攻めてくる.日本とは違うイライラを感じているのだろう.
 CDショップが少なかった.現地の友人によると,海賊版が多いからCDが売れないとのこと.本屋も台湾に比べると少なかったな.
 台湾は3回目に行きたいと思うくらいだったが,韓国はもういいかな.もっと魅力を掘れればいいんだけど.

2011年8月31日水曜日

聞いた言葉24

社員にちょっと難しい仕事を与えて,
それがうまくはまって成功したとき.
それが一番仕事で楽しいことかな.

-23歳IT企業社長

2011年8月28日日曜日

東京人

 昔,大阪に住んでいたが,違和感を抱き続けながら生きていた.とあるイベントで司会をしたときに,東京の人ですよね,と観客の一人から言われた.言葉遣いではなく,話す雰囲気でそう思われたようだ.自分は東京の人間なんだと思った.
 「人志松本のすべらない話」には関西芸人が多く出てくる.あまり面白いと思えないような話でも,まわりの芸人が大笑いをするので面白いのかもしれないと思えてくる.みんなで一つの話題を盛り上げようという雰囲気に満ちている.
 とんねるずの「東京風」は関東芸人のみを集めている.面白くない話をした人間に対し,石橋貴明は話を広げることもせず,あからさまにつまらなそうな顔をする.
 前者には入り込めないことがあるのだが,後者の雰囲気は私にぴったりであった.
 自分がどこに在籍するのかはっきりわかったので,それ以来私は,東京生まれ東京育ちと強く言うようになった.

 東京人は全員わかるが,東京人以外には聞いたことのない話をいくつか紹介しよう.
 東京人は東京出身という話では盛り上がらない.東京は広すぎるので,故郷とはなりえないのだ.より詳細に,山の手,下町,というくくりではなくてはいけない.私は山の手出身なので実は下町の詳細な区分は知らない.神田と浅草は違うらしい.
 地方出身者は東京人は冷たいと言うが,東京人はそうは思っていない.生まれたときからそうなので,冷たいなんて思わない.もしくは,生粋の東京人は温かいが,地方から来た東京在住者が冷たいだけ,と思っている.地方出身者が東京の人は冷たいと言うのなら,来なければいいと私は思う.

2011年8月27日土曜日

ナボコフ,大久保康雄訳「ロリータ」

「ロリータ、わが生命のともしび、わが肉のほむら。わが罪、わが魂。ロ、リー、タ。舌のさきが口蓋を三歩すすんで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ。リー。タ。」

ハンバート・ハンバートは13歳で,数ヶ月遅く生まれたアナベルに恋をする.しかし,アナベルは若くして病死してしまう.24年後,ロリータに出会うまで心に残り続ける.
ロリータは下宿先の未亡人の娘である.未亡人が死んだときに,ハンバート・ハンバートはロリータを連れて,アメリカ中をまわる旅に出る.
この小説は異常なほどの量の描写によって構成されている.その中心は,ロリータ.ロリータを描写すればするほど,描写するしかなかったのかとも思えてくる.ハンバート・ハンバートはロリータを愛しており,他の子との付き合いすら好まないが,ロリータはハンバート・ハンバートの手からするすると抜けるように自由に生きる.それが,ハンバート・ハンバートを苦しめる.
中年男性が愛した相手は少女だった.それだけでセンセーショナルに語られてしまうが,これはハンバート・ハンバートの短く哀しい愛の記録である.
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年8月19日金曜日

鉄道の旅 北陸,飯田線

 九頭竜線への想いをとめられず,行ってきた.

☆一日目
-発--駅--着--路線
----西荻窪0433中央線
0513高尾0514中央本線
0551大月0554中央本線
0643甲府0646中央本線
0832松本0840篠ノ井線
0957長野1034信越本線
1212直江津1312北陸本線
1511富山1802北陸本線
1915金沢1918北陸本線
2048福井----

☆二日目
-発--駅--着--路線
----仁愛女子高校0627福井鉄道
0729越前武生----
----武生0755北陸本線
0816福井0908九頭竜線
1046九頭竜湖1058九頭竜線
1222福井1302北陸本線
1358敦賀1422小浜線
1613東舞鶴1705小浜線
1750福知山1802山陰本線
1911園部1913山陰本線
2000京都2000東海道線
2055米原2105東海道線
2134大垣2154東海道線
2319豊橋----

☆三日目
-発--駅--着--路線
----豊橋0811飯田線
1210天竜峡1235
1600岡谷1625中央本線
1704小淵沢1710中央本線
1748甲府1808中央本線
1938高尾1942中央本線
2020吉祥寺----

 篠ノ井線姥捨駅あたりの景色とスイッチバックがよかった.九頭竜線は一度乗ればいいかなというくらい.小浜線からの若狭湾,小浜湾の景色がよい.飯田線は2回目,天竜川,秘境駅を楽しむ.
 食べ物は,一日目は「幻ますの寿し(1900円)」などを堪能したが,どんどんレベルが下がっていった.豊橋で美味しそうな駅弁が手に入らなかったのにはショックだった.天竜峡は菓子パンがある程度で,駅弁なし.その後もまともな駅弁が手に入らず,三日目の食事はひどかった.

2011年8月16日火曜日

西尾維新「真庭語」

 「刀語」からの派生物語.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年8月15日月曜日

西尾維新「刀語」

 第一話を読んだ後は,これをあと十一話も読むのかと思った.第二話,第三話と読み進めるうちに,最後までは読もうかなという気分になった.第四話で,絶対に最後まで読もうと思った.最後まで読んでよかったよ.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月31日日曜日

なでしこジャパン報道

 なでしこジャパン優勝おめでとう.
 さて,その後の報道でいくつか思ったこと.

(1)荒川静香が金メダルを取った時にスケート場閉鎖反対ムードになった.あれって継続性のある運動だったの?今回もすぐに沈静化するのだろう.本気なら継続しようぜ.

(2)なでしこもポスドクも好きなことをやっている(とされている)のに前者は応援しよう,後者は道を変えろ,と対称的.違いは何だろう?ポスドクもノーベル賞でもとれば同情してくれるのかな?

(3)この待遇で優勝するならこのままでいいじゃん,という話にはならないようだ.

(4)「恋をしているか?」などの個人的な内容が多すぎる.相手を,「サッカー選手」ではなく,「たまたまサッカーをしていた女」として質問をしていた.男性選手にそんな質問はしないだろう.ひどい女性蔑視.

2011年7月30日土曜日

アメリカの政治家の視点

 アメリカ政府は債務の上限を上げようとしているが,共和党は歳出削減を強く要求している.債務不履行なら異常なドル安になりアメリカ国民の富は激減するだろう.多少の歳出削減を要求している共和党は何を考えているのだろうか?
 ドル安になると,輸入が困難になる.アメリカの食糧自給率はカロリーベースで124%(※1),エネルギー自給率は74%(※2).そこそこあるから,ドル安でもやっていけるという算段があるのだろうか?どこまで経済的な影響を考えているのは不明である.
 アメリカの政治家は経済の知識がないのか,有権者だけしか見ていないのか,アメリカ議会が世界経済・政治を変えうる力を持っていることを知らないのか,いずれにしろ驚くべきことだ.リーマンショック後に公的資金注入で手間取って世界から白い眼で見られたことを覚えていないのか,気にしていないのか.

※1:食料自給率とは
※2:主要先進国のエネルギー需要の動向

追記:
カロリーベースの食糧自給率には,コンニャクはまったく貢献しない,というのは正しいですよね??

2011年7月25日月曜日

西尾維新「サイコロジカル」

 最初の場面でやられてしまった.何だ,この過剰なる言葉は.
 
 ところで,ミステリー小説は完璧な論理でなくとも,話が盛り上がるくらいの論理であれば成り立つのね.それを追及されるくらいなら,先に言ってしまって,ストーリーでねじふせてしまう.ある意味,卑怯かもしれない.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月24日日曜日

西尾維新「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」


 人間シリーズを読んでから改めて読み返すと,萩原子荻と西条玉藻の扱いがこれでいいのかと疑問になる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月23日土曜日

死産

 友人の結婚式に出た.新婦が妊娠中であることが明かされ,参加者みんなでお祝いムードになった.いや,厳密にはみんなではない.少なくとも,私と友人Aだけは,お祝い気分にはなれなかった.
 妊娠したからといって,必ずしも生まれるわけではない.Aはそれを知っていたし,私も知っていた.「もしも生まれなかった場合に,誰も悪気はないから,妊婦だけがぶつけるあてのない気持ちを抱いてしまうのだよね.」
 友人Bから妊娠しているとメールが来た.しばらくして,死産になったというメールが来た.慌てて電話をかけたが,私にはかける言葉はない.厳密には自分が経験したといえない話ですが,と前置きして,自分の話をした.相手に何の意味があった話かはわからない.「医者に突きつけられると,やっぱり辛いものね.」
 私に出来るのは,新婦が子供を産めるように祈ることだけだ.

2011年7月22日金曜日

西尾維新「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」

 ミステリーにおける謎として,動機,犯行方法があるのだろう.西尾維新の小説は,それらに重点を置くのではなく,物語の意外性と言葉遣いが重要視されている気がする.特に,西尾維新の言葉の世界に漂ってしまうと,他の文体に戻るのに時間がかかる.
 もう一気に行くしかないな.

 竹のイラストもグッド.
評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月21日木曜日

西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」

「人が喜んでくれる仕事っていうのは長持ちするんだよ。」

 カネの話だけではない.カネを稼ぐためには仕事をしないといけない,ということで,仕事の話も書いてある.仕事がないから,カネを稼げなくて,今の生活を抜け出すことが出来ない,というアジアの子供たちのことも書いてある.

 学生時代よりも,今の方がはるかに楽である.カネを稼いでいるから.自分で自分をコントロールできる権利を持っている.
 旅行していると,とてもその街を気に入って,そこに住みたいと思うことがある.昔は住みたいと思うだけだったが,最近は仕事があれば住めると考えるようになった.いつのころからか,生きることと仕事をすることが不可分になったのだろう.
 仕事をするのは大変だし,仕事だからといってすべてを割り切れるようにはなっていない.なる気もない.だけど,年金暮らしになるよりは,ささやかでもずっと仕事を続けて,カネを稼ぎたいと今思っている.

 よりみちパンセシリーズは昔から大好きだった.発売元の理論社はなんとつぶれてしまったそうだ.これからはイーストプレスが復刊していくそうだ.
評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月20日水曜日

「再生可能エネルギー法案」を読む

 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」,通称再生可能エネルギー法案を読んだ.これは地震が起こる前に経済産業省から提出された法案である.
http://www.meti.go.jp/press/20110311003/20110311003.html
 主な内容は,太陽光,風力,水力,地熱,バイオマス,その他の再生可能エネルギー源を変換して得られた電気を,電力会社は固定量で買い取らなければいけない,である.しかし,電力料金に上乗せすることで,買取分を電気使用者から徴収することが出来る.つまり,この法律による実質的な負担は,電気を使う人たちが払う.
 気になる点は2つある.
 1つ目は,「電気事業者(※電力会社)による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき」には電力網への接続をしなくてもよい,という点である.そもそも太陽光や風力などは発電量が一定しないものなので,これは当然である.これを盾に,電力会社は電気を買い取らないことができる.
 2つ目は,「平成三十三年三月三十一日までの間にこの法律の廃止を含めた見直しを行うものとする」とある点.いわば,10年程度の時限立法である.スペインは太陽光発電に対しての補助金を下げてから,急激に発電量が落ちた.逆の見方をすれば,政府が作り出したバブルがはじけてから,適正な発電量に落ち着いたのだろう.実際,投機目当ての金が入っていた.
 法律の中身が悪いといっているのではない.経済産業省が自分たちの立場で出した法律を,政治主導の民主党政権がきちんと理解しているとは到底思えない.首相が自分の思いを表現した法律を,官邸が主導して出せばいいのだが,これではありものの法律に飛びついたのとしか思えないのだ.

 ところで,孫正義社長は,太陽光発電に執心している.休耕田にボトルでパネルを止める,との主張からは長期的な視点を持っているとは思えない.10年間でごっそり儲けて,その後は撤退する予定という疑念すら持ってしまう.

※この条文には「自然エネルギー」という言葉はない.「この法案のおかげで,自然エネルギーが普及する」と言う人には,ぜひ自然エネルギーの定義を訊いてみよう.(法案推進派の政治家でも自然エネルギーと言っている.賛成・反対の前に中身を読んでくださいね.)

2011年7月17日日曜日

永山嘉昭,山さき紅(※)「説得できるビジネスプレゼン200の鉄則」

「プレゼンテーションとは、自分の主張や意見、アイデアを説明し、相手の理解と納得を通じて、最終的には話し手の意図した結果を得るための、積極的な行動である。」

 資料の作り方,プレゼンの仕方を効率よく上達させるには,練習するだけではなく,よい資料,プレゼントは何かを知っておくべきだと思う.自分で試行錯誤をしていくのも重要であるが,ある程度の型が存在しており,その型通りに行うことで相手にも伝わりやすくなるならば,その通りにやればよい.いわば,新しい言語を考えるのではなく,既存文法を学んだ方が早いということである.
 この本では,プレゼンとは何かから入り,いかにして資料を作成し,プレゼンを行うかを説明している.資料の作成方法では,色相の説明をして,カラー資料を作るポイントを解説するなど,具体的な方法にまで立ち入っている.
 さっさと読んでおけばよかった.

※「さき」は山偏に,「立」の5画目と「可」の1画目を共有しているもの.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月16日土曜日

バーム,松村達雄訳「オズの魔法使い」

 面白い!まったく教訓はなく,ただ単にドロシーたちの冒険話である.過剰とも思える繰り返しや,何のために挟んだのかわからない挿話もすべて面白いからいいやと思えてくる.
 やなせたかしの挿絵もよい.

 有名だけど読んだことない本を読もう企画の一環です.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月15日金曜日

西尾維新「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」

 挿絵がある小説に対する批判として,挿絵が想像力を制限してしまうというのがある.
 この本に関しては,挿絵があるからこそ成り立つ世界がある.逆に考えると,今までの小説は挿絵を軽視していたから挿絵の価値がなかったのだろう.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月14日木曜日

Margaret Johnson "Murder Maker"

I have read four English novels bought in Taiwan. I will read other English books I bought before.
Mr. Murakami, ex CEO of Google, said it is important to read many books whether you understand them or not.

2011年7月12日火曜日

西尾維新「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」

 ミステリー,青春小説,どんな読み方をしても面白い.戯言シリーズは全部読まないと.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月11日月曜日

2011年7月10日日曜日

2011年7月7日の国会答弁

 2011年7月7日の国会答弁.
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 ■再生可能エネルギー
 轟木利治氏(民主) 再生可能エネルギーによる発電費用が化石燃料や原子力と同じになるのはいつか。
 菅直人首相 今回の事故で原子力発電の費用が大幅に上がるのは間違いない。太陽光発電は2030年に現在の6分の1程度に引き下げることを目指している。今の原子力コストとほぼ同等だ。20年後には現在の原発費用に近いところまで太陽光発電や風力発電の費用を引き下げることが可能との私なりの見通しを持っている。
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 このようなコスト試算を私は見たことがない.
 これで再生可能エネルギー法案を通そうとしているのだろうか?信じられない.

2011年7月9日土曜日

西尾維新「きみとぼくが壊した世界」

 はまってしまったので,ずっと読んでいるのです.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月8日金曜日

西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」

 すごいな.読むのが止まらないよ.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月5日火曜日

西尾維新「きみとぼくの壊れた世界」

 「めだかボックス」で西尾維新にはまったので,小説も読んでみた.
 キャラによってどこまで話を展開できるかという挑戦をしているように感じた.
 もっと読んだらもっと長い感想を書こう.ということで,もっと読むこと決定.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月4日月曜日

日本原子力文化振興財団による「世論対策マニュアル」

すごいのきた.
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-02/2011070203_01_1.html

追記:2011年7月20日
 週刊現代がこのマニュアルを報じていたが,赤旗の名前はまったくなし.手柄を横取りしちゃダメだよ.

2011年7月3日日曜日

あやふやな「電田プロジェクト」

 孫正義が大きいことを言っているので,彼の主張を読んでみた.
http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf
 スライド3で「2本柱から4本柱へ」ということで,原子力と火力から,原子力と火力と自然エネルギーと省エネルギーと言っている.省エネルギーは消費の削減であり,他のは生産に関してである.観点がまったく異なっているので,省エネルギーはここに入れるべきではない.まず,このように書いている時点で,この資料の信頼性を疑いたくなる.
 スライド7でドイツの太陽光発電を紹介している.資料全体から判断するに,国が自然エネルギー(※1)に資金を導入すべきという事例として紹介されている.しかし,ドイツの太陽光発電は持続可能性という面では政策的に失敗である.
 スライド23では,化石・原発エネルギー中心よりも,自然エネルギー中心の方が電気料金が将来的には下がると書いてある.しかし,「○○中心」と書かれてもどのような比率なのかが分からず,参考資料も試算方法も書かれてていない.他のスライドでは書かれているのに,ここにはまったくない.根拠がないという疑念を抱く.
 次に書かれていないことについて書く.
 太陽光発電パネルは無料でつくれるわけではない.製造,設置,保守,廃棄コストについての試算がまったくない.太陽光発電パネルの寿命はおよそ20年と言われており,大量に設置すれば当然のことながら大量に廃棄される.まったく議論をせずに発電だけを考えれば,原子力の二の舞である.
 この資料では自然エネルギーといっておきながら,ほとんど太陽光発電についてしか書かれていない.実際には再生可能エネルギー導入を考えるならば,地熱,水力,風力などを組み合わせていくべきであろうが,孫正義は太陽光にしか興味がないのだろう.何か裏があるのだろうか?

 そして大問題は,このようなあやふやな計画を絶賛して実施しようとしている時の首相である. 

※1:私は「自然エネルギー」ではなく「再生可能エネルギー」と言いたいが,ここでは資料に則る.

2011年7月1日金曜日

フランスなど

 アムステルダム.
 街並みはきれいである.料理はいまいち.12時間程度しか滞在しなかったからかもしれないが,そんなに面白い街とは思えなかった.
 
 フランス.
 フランスは都市だけではなく,郊外もすばらしいと言われているので,いろいろ行くことにした.
 パリではルーブル,オルセー,国立近代と続けてみたら,芸術の歴史に触れることが出来た.ざっとみていても,目が離せなくなる作品があり,それは私でも知っているようなものである.ドラクロア,ルノアール,ピカソに目と心を奪われた.
 街並みがとてもきれいで,料理もおいしく,いるだけで楽しくなってくる.これだけ芸術が発達していれば,仕事は定時で終わらせて,仕事帰りは別のことを楽しむというのは自然な発想である気がする.
 パリはNYと並んで,私の住みたい街ランキングで1位となった.
 ニースにも行った.南仏では仕事をする気がなくなる.ゆったりとしている.鉄道に乗って田舎にも行ったが,田舎はさびれている場所ではなく,自然と豊かに触れ合うことが出来る場所なのだ.都市にしかできないことはあるが,田舎にしかできないこともある.ピカソ美術館に行った.20分以上見ても何も感じない.でも目を離したくない.初めての感覚に陥った.またピカソを見なくては.
 モナコは街中がショッピングモールのようで,生活感を感じなかった.六本木ヒルズに住みたいと思わない私には,住みたいと思うような場所ではない.
 コルシカ島の鉄道に乗りたいがために,わざわざ行った.ホテルの数が少ないわりに,ネット予約もしにくいので,非常に旅行はしにくい場所である.それでも雄大な自然に触れ,コルシカ島でしか楽しめない料理を食べていると,やはり来た甲斐があったと感じてくる.ガイドブックでは,バスティーアやアジャクシオが旅の拠点のように書かれているが,たいして面白いところではない.カルヴィに泊まりに,信じられないほどの遠浅のビーチや山を楽しむのがよいと思う.

 イタリア.
 ローマは街が博物館.日付が変わるくらいにトレビの泉に行ったら,多くの人がいた.街を歩いていても,特に危険は感じなかった.
 ヴァチカンにも行った.さすが,総本山.荘厳さはとてつもない.

 次はマドリッドでピカソの絵を見たいな.

2011年6月30日木曜日

台湾

 台湾を鉄道で一周してきた.
 人当たりがよい,公共交通機関が発達している,物価が安い,日本語も英語も通じる.
 今までいろんな国に行ってきた.海外旅行初心者には,台湾をお勧めする.今回は一人で行ってきたが,複数人だとまた新しい楽しみ方があるのだろうなと思う.

2011年6月29日水曜日

Sue Leather "THE WAY HOME"

To learn English, I decided to buy and read English books.
This is a novel. I wanted to read non-fiction books, but there isn't in Cambridge series.

2011年6月28日火曜日

ギャップが大事

 ギャップねえ.人は二面だけで判断されてしまうものなのか.

2011年6月27日月曜日

杉山大志・星野優子・石井孝明「気分のエコでは救えない!!」

「効果のある適切な対策を行うには、正確な情報に基づき、賢明な判断を重ねなければなりません。」

要約:
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 温室効果ガスの排出量を長期にわたって政策だけで大きく減らした国はまだない.京都議定書にように目標を設定するやり方には限度があるので,政策などプロセスに関して規定をしていくほうが効果がある.
 温暖化が進行しているのは確かだが,どうなるかはよく分からない.
 日本の産業界の省エネレベルはすばらしい.この技術を世界に出していくべきである.
 太陽光発電の全量買取制度は,ドイツで大きな負担となっている.
 コストを考えた現実的な策をとることが必要である.
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 筆者の杉山氏,星野氏は電中研所属である.杉山氏はIPCCでは第4次評価報告書で統合報告書の主著者.石井氏はジャーナリストである.
 冷静にデータや事実を見て,現実的な解を発見するというとても常識的な考え方に引き戻してくれる,非常に冷静な本である.これを読んでから,エネルギーや地球温暖化に関する議論をしていただきたい.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年6月26日日曜日

石川憲二「自然エネルギーの可能性と限界」

「残念ながら愛だけでは地球は救えない.もちろんそういう感情が人を動かす原動力になることはわかっているが、行動と成果を確実に結び付けるには、科学技術の知識に基づいた分析と検討、そして判断をする力が必要だということを少しでも多くの人にわかってほしい。」

要約:
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 自然エネルギーというと,化石燃料も自然エネルギーである.なので,再生可能エネルギーというべきである.
 風力の発電出力は到底火力や原子力に変わりうるものではない.行うならば,地産地消にするか,風力発電ではなく風力そのものを使えばよい.
 日本は太陽光発電に向いていない.使うならば,こちらもそのまま使えばよい.
 日本は水力,地熱が向いている.
 普及とともに再生可能エネルギーの導入コストが下がるというのはうそである.半導体のように一定面積で高効率というのではなく,太陽光発電ではパネルの大きさそのものが発電量にそのまま直結する.つまり,材料費が主なので,半導体ほどは下がらない.
 補助金が終了したら太陽光発電の生産をやめるというメーカーもある.
 CO2削減のためならば,新エネルギー導入ではなく,省エネを進めたり,既存設備の発電効率を上げたりするのも効果がある.
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 ドイツの太陽光発電量は世界一であるが,ドイツの総発電量の1%似過ぎない.そして,発電買取という負担が国民に大きくのしかかっている.
 太陽光発電のパネルは20年程度で使用できなくなる.大量に導入した場合には,それらの廃棄に関する問題が同時に発生するのは間違いないが,それらを冷静に議論している太陽光発電推進者を見たことがない.結局,原子力の放射性廃棄物問題と同様のことが起こっている.
 理念から動くことに対しては否定はしない.ただ,問題は冷静に解決していかなくてはならない.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年6月25日土曜日

開沼博

 2011年6月19日朝日新聞朝刊1面の下欄に開沼博「「フクシマ」論」の広告があった.佐野眞一,姜尚中,上野千鶴子という面々が言葉を寄せている.
 開沼博,以前見たことがある名前である.開沼博,開沼博...
 やっと思い出した.2009年の科学技術社会論学会で発表していた人だ.そのときの自分のメモを貼り付けておく.
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○地域文化から見る科学技術のコミュニケーション
―原子力ムラへの質的調査を事例として― 開沼博(東京大学)
原子力ムラとは原子力発電所や関連施設を持つ地域のことだそうだ。
普通の使い方とは違う。何故わざわざこんな定義を持ち出したのか不明。
原始力ムラについて言われていることがやっぱりそうだった、という発表。
文化人類学の院生から「トートロジーですね」とつっこまれていた。
哲学学会では当然らしい「原稿読み上げ発表」を初めて見ることができ、
私としては満足。
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 そんな開沼博が本を出したのか.

2011年6月19日日曜日

変わらない九州電力

 普段の株主総会での議題は取締役の選定くらいしか議題がないので,特に注目していなかった.しかし,今回の九州電力の株主総会は注目である.
 第5号議案では以下のように定款の変更を求めている.
 「(原子力発電に関する宣言)第40条 当会社は、古い原子力発電所から順次、停止・廃炉の措置をとることとする。また、原子力発電所の新規立地、増設も行わない。」
 (東京電力)福島第一原発による原発震災を受けて提案されたようである.(ただし,提案理由には,原発震災から上記のような提案の間に論理的飛躍がある.)
 一方,取締役会としては,本議案に反対している.反対理由は,国の指示に基づき対策している,エネルギーセキュリティ面や地球温暖化対策面から原子力は重要である,という2つが主である.2つ目に関しては,国レベルのエネルギー政策の見直しの方向性に沿って,対応を検討していくそうである.
 一企業がエネルギーセキュリティまで考えているのは驚きである.それはいいとして,きちんと対策していることを株主がいかに信頼できるかであろう.私には九州電力が行っている対策が十分であるかを判定できるほどの情報はない.信じるしかないのだが,電力会社と国は情報を隠しているのではないか,という懸念を現在多くの人が拭えないでいる.結局,自分たちはきちんとやっているから信頼しろ,という昔からの態度がいまだに九州電力には残っているのだ.
 第6号議案では自然エネルギー開発を定款に入れるという要求であるが,取締役会は自然エネルギー開発の検討はするが,定款に入れる必要はないという立場をとる.
 第7号議案は「原発と地震・津波および火山活動調査検討委員会」の設置を要求している.この委員会が,取締役のほかに,研究者・現地住民代表,消費者代表他で構成することを求めている.取締役会は,ここでも同様に,自分たちはきちんとやっているから第三者は必要ない,というような回答をしている.
 第8号議案ではプルサーマル発電中止を定款に追加するように求めている.(東京電力)福島第一原発事故でプルトニウムが放出されたので,プルサーマル運転を中止する,という主張である.(こちらも文章に論理的飛躍がある.)取締役会は,またも,安全は自分たちで確認している,と言っている.
 福島第一原発による事故により,原子力ムラの人間が言っていることを信じることが出来なくなった.以前から信じられないというのはあったのが,より多くの人が思うようになった.しかし,九州電力は何一つ変わっているようには思えない.自分たちはきちんとやっているから心配するなという立場である.安全をみんなで監視しながらやっていきたいという株主や市民の想いはどんな事件があっても達成されないのだろうか?

追記:2011年7月15日
 株主からの提案は,すべて否決されました.

2011年6月15日水曜日

2011年6月12日日曜日

略称に気を付けよう

 芝信用金庫の略称が「しばしん」.ヒンズー教の神様か?
 鎌倉女学院の略称が「かまじょ」.う~ん.

2011年6月8日水曜日

聞いた言葉23

英語を話す国の人々は,英語以外の言葉を学ぶ意欲がわかないから,不幸だ.

―中国系オーストラリア人
(でも中国語は少ししか出来ず,英語で思考しているらしい.)

People living in English speaking countries are unhappy
because they have no motivation to learn other languages.

2011年5月15日日曜日

萌家電

 教えてもらった.東京カワイイTVも観た.
http://moekaden.com/
 家電ネットワークは昔から言われていて,それを現実的な(?)形で実現しようとしているのが萌家電である.
 ただ,最大の疑問がある.HPによると,エアコンと扇風機の協調で両者は結婚するそうだが,私だったら協調させずに結婚させない.
 システム自体や発想は面白いので,女性キャラだけ,男性キャラだけ,韓流スター版,ジャニーズ版,ポケモンなどの派生商品が出るのではないかとにらんでいる.

2011年5月11日水曜日

朝日新聞の投書の意図

 2011年4月24日の朝日新聞の投書欄に,蓄電池に夜間充電して,昼間に充電した電力を使用するシステムを開発したらどうだろうか,という意見が載っていた.
 何故朝日新聞はこのような投書を載せたのだろう?このようなことはすでに研究開発が行われているので,ちっとも新しい意見ではない.これでは,65歳無職の投稿者の無知ぶりを世間に晒すだけである.このような考えを世間に出すならば,投書欄ではなく,科学欄や社会欄を用いて朝日新聞の記者が書けば十分である.

 というか,新聞の投書欄についてまじめに考えることはあまり意味がないことである.いつもは時間の無駄なのでまったく読まないのだが,たまに読むと驚くほどまた時間を無駄にしたと思う.

2011年5月10日火曜日

反原発派と反反原発派と,翌日の朝日新聞

 5月7日に渋谷に行った.反原発派がデモをしていた.再生可能エネルギーを強く推していたが,一体どのくらいの発電量なのかを知っているのかを訊いてみたくなった.
 彼・彼女らがハチ公前のスクランブル交差点を進んでいる最中は,私のような一般人はその道路を渡ることが出来ない.そして,その人たちは警察によって守られている.何故私たちの税金を使ってデモをして,何故私が待ち合わせの時間に遅れてしまいそうになるのかがわからない.
 そのデモに対して,反反原発派は批判を加えていた.どちらも対話はせず,言いっぱなしという印象を受けた.

 翌日の朝日新聞には,「友人に誘われてきた」女性の「音楽のデモだから参加しやすい」とお気楽な言葉が載っていた.大して主義主張がない人も参加しているようである.ただ渋谷に遊びに来ていた私からすれば,うるさくて友人と会話しにくいと思っただけだった.主催者発表では約15000人だそうだが,200人くらいしかデモをしていなかった.
 もちろん,反反原発派のことは一言も書かれていない.

2011年5月9日月曜日

聞いた言葉22

原発を無くしてどうするかは,原発推進派が考えるべきである.

―反原発派

(この方はとても理性的に話す方であり,隣にいた原発推進派の方とも冷静に話していた.)

2011年4月24日日曜日

編集の権力

 8年来の女友達の2次会で作成するムービーをつくった.本人には何も説明せずに,ただ単に忘年会の時にビデオカメラを向けていた.
 なので彼女と私の会話が入っている.もちろん,2次会とは何の関係もない会話なので,そのままでは使えない.なので,音声を消して,必要なところのみを編集した.結果的に彼女の満面の笑みが画面上には登場している素晴らしい映像となった.
 自分の好きなように編集した.私は2次会の参加者に見せたい,自分が思う彼女を紹介することが出来た.編集によって,こんなに好きなようにできるのか.編集という権力を手放すことを好まない人が多くいるのはごく自然のことなのだとわかった.

 それはそうと,末永くお幸せに.

2011年4月19日火曜日

魅力を伝える

 「よくわからないけど難しいことをやっている」というのが褒め言葉ではない.
 魅力は伝わらなくてはいけない.

2011年4月18日月曜日

聞いた言葉21

技術者としては,1000年後に褒められる製品を作りたい.

-技術者(勤続42年)

2011年4月17日日曜日

日本実業出版社編「最新 有名講師・講演料700人情報」

 デーブ・スペクターやテリー伊藤は1.5時間で講演料が70万円.飛行機はスーパーシート希望.
 全体的な印象としては,経済や経営の話をする人は講演料が高く,大学教授など学術系の人は安い.
 一回50万円で講演を年100回やれば,年収5000万円.講演を仕事にしているというのがどういう意味なのかをわかった.将来講演ができるようになれば,いつまでも生活できそうだ.

2011年4月16日土曜日

北村行孝,三島勇「日本の原子力施設全データ」

 原子力発電の基礎知識から,施設詳細,トラブル,行政まで幅広いテーマを紹介している.日本の原子力を知るための最初にはちょうどよい.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年4月12日火曜日

小島慶子「ラジオの魂」

 ラジオについての雑誌ならば必ずインタビューが載る女性,小島慶子.本人が生まれてからラジオに出会い,TBSアナウンサーとしてジレンマに陥り,アクセスを経て,キラキラに至るまでの経緯が書かれている.ラジオにいかに救われたか,ラジオがいかに好きか,ということが直接的な語り口で述べている.
 一本の筋が通っている人はぶれずに仕事ができるのだなと思った.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年4月11日月曜日

電気新聞編「電力会社のおしごと」

 日本の電力会社の仕事を一つずつ説明したもの.ここにはとても理想的なことが書かれているが,実際の企業はどうなのだろうな?

評価:☆☆
(1-5で基本は2)

2011年4月10日日曜日

ディヴィド・クレイグ,松田和也訳「コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る」

 コンサルタントがいかに会社を食い物にしているのかを書いた,元コンサルタントの本.「30%改善が必要」というデータを出すため,データを捏造することもある.
 コンサルタントを入れた会社の失敗例として,際限なくコンサルタントに頼んでいく会社というのを挙げている.何をコンサルタントにして欲しいのかをきちんと考えておかないと食いつぶされるし,倒産すらする.しかし,経営陣は自分の失敗をばらしたくないので,コンサルタントのことは誰にも言わない.
 落ち着いて考えてみれば,20年もその仕事に携わっている専門家が,新卒の若者に専門的なことを助言されるという構図は非常に妙だ.経営陣は社員を信頼して社員に仕事を任せないといけない.そうでなければ,コンサルタントにやられてしまうのだ.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年4月2日土曜日

原発特集の中止

 BS世界のドキュメンタリーでは,4月4日から2週間,原子力特集だった.一週目がチェルノブイリ(チェルノブイリ事故から25年が経っている),二週目が核廃棄物.しかし,先の地震のためか,中止になってしまった.どういう意図で中止になったのかわからないが,いつかは放送してほしい.

2011年4月10日追記:
他の放送スケジュールの変更,制作スケジュールの遅れ,ということだそうです.
http://www.nhk.or.jp/wdoc-blog/200/77575.html

2011年3月28日月曜日

小坂貴志「理系のための英語文献の探し方・読み方」

 副題が「インターネット時代の検索・読解ガイド」である.Yahooとgooの違いを丁寧に紹介しているのが,2001年に発行された感を出している.
 他の部分は,Abstractを活用しようなど基礎的なことが多い.理系のためと書いてあるが,文系でも同様ではないかと思う.

評価:☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月27日日曜日

岡嶋裕史「iPhone 衝撃のビジネスモデル」

概要-------------
 Web2.0では情報発信者同士がやりとりをできるようになるが,現行のインターネットではでは既存大企業が今まで通り強いだけ.Amazonの長所は在庫が膨大にあることであり,それの短所となる店舗を持てない点に関しては,通信販売という方法で対処した.なので,現行のビジネスモデルであり,Web2.0的ではない.グーぐるは広告収入が全収入の99%.
 数々の機器を用いたとしても,一つの入り口となる機器で操作できる方が楽である.それにはUIが重要だが,キーボード,マウス,テンキーには限度がある.しかし,全面タッチパネルのiPhoneはUIの統一に成功した.そして,携帯性もある.
-----------------

 2007年5月発行.
 Web2.0の説明からそこにおけるiPhoneのよさまで非常に整理されている.

 今後はAndroidが家庭に一台以上入るという予測もあるようだ.いろいろな機器のリモコンが一つになるだけではなく,一つになるからこそできるサービスも出てくるのだろう.携帯電話は写真が撮れて,決済ができて,音楽が聴けるようになった.いろいろな機能が一つの機器に入っていく時代.
 私は一つにまとめることの怖さがあるので,分散させておきたい.電池が切れたら,何もできなくなってしまう.
 デジタル保存機器はどんどん置き換えられていく.私が体験しているだけでも,フロッピーディスク,MDは最近はほとんど使われておらず,新しい機器が出る度に,移行させられる.
 ネットブックが一時期大ブレークしたが,最近はあまり見なくなったように,スマートフォンも何かが置き換えられていくのだろう.

 そういや昔,テレビのチャンネルを変えられる子供用の腕時計のような機器が売っていた.多分,赤外線を飛ばしているだけだろう.あれ,面白かったな.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月26日土曜日

飯久保廣嗣「質問力」

「なに?」の質問:学ぶ質問
「なぜ?」の質問:考える質問
 学ぶ質問の能力は高いので,これからは考える質問をしよう.考える質問は,状況把握,原因究明,意思決定,リスク対応,の4つの領域に分類される.
 状況把握のためには,問題を挙げて,課題にして,優先順位をつける.

 質問の仕方だけでなく,ものの考え方,捉え方まで述べているけど,「質問力」という本の題名でよかったのかな?いろいろ書いてあってためになったよ.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月25日金曜日

まとまっている

 知らない分野の本を読んで,「この本は分野の概要がよくまとまっているな」という感想を抱くのは論理的におかしいと思う.

2011年3月23日水曜日

藤沢晃治「「分かりやすい表現」の技術」

「分かりやすい表現とは、「受け手の脳内整理棚にしまいやすいように情報を送ること」に、つきます。」

 いかにしてわかりやすい表現をするかについて,非常に平易に述べた本である.分かるとはどういうことかから始めて,分かりにくくなる表現例を見ながら,わかりやすい表現をする際には何に気をつければいいのかが説明されている.
 表現媒体は,文書,看板,チラシ,パワーポイント,メールなど,いろいろであるが,ルールはいつでも一緒である.
 この本を一冊読んでからパワーポイントを作成するのがよい.というか,今まで読んでなくてよくやってこれたなと感じる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月20日日曜日

日本経済新聞社=編「働くということ」

「会社にいても、独立して外に出ても、どんな職業も地道に頑張ることは一緒。人生の最大の楽しみは一所懸命に打ち込む充実感やしね」

 人は何のために働くのか,応えは人それぞれである.生活のために働く人もいれば,仕事を通して何かをしたいと働く人もいる.働くときに難しいのは,各人が異なる意識で仕事に向かっているときである.例えば,若い人は新しいことをやりたいのにベテランがやる気をなくしている場合.また,ベテランが若手には自分の仕事ぶりから学んで欲しいのに,若手は丁寧に教えてもらうことを望んでいる場合.もちろん,同世代でも考え方は異なる.
 だが,どんなときでも,今やるべきことを一生懸命にがんばるのは大事なことだと思う.がんばる場がないとふてくされるのではなく,がんばる場を得るために今のところでがんばる.
 2004年9月にこの本は出版された.星野リゾート社長星野佳路氏や,まだ肩書きが楽天の田中良和氏が登場している.7年間で時代は大きく変わる.
 冒頭の言葉は,60歳で判事を引退した料理人の言葉である.
 
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月17日木曜日

日本のテレビはダメだ

 BBCのHPにあったtweet.

1241: Robert Conrad, who lives in Niigata, in central Japan, writes: "TV drama has now replaced the days of disaster footage on every channel. No-one is thinking of the worst-case scenario except the expats. Japan needs more access to foreign media". Have Your Say

 日本のメディアは外国メディアが日本を称賛しているということは何度も報道したが,耳が痛い報道はしていないようだ.実際,在英日本大使館の一等書記官がBBCのインタビューに出ていたが,BBCのキャスターは日本政府の情報開示に対して疑問を呈しているようだった.また,アメリカは福島原発の半径80kmに避難指示をしたが,当の日本は当時20kmであった.
 こんな中で民放なんか観ていられない.だって,この記事を書いている段階では東京は避難した方がいいかもしれないのに,仮装大賞の再放送なんて観てどうすんのさ?

追記:英語で情報収集を完璧にできないことでこんなにも辛く不安になるとは.

2011年3月16日水曜日

日本経済新聞運動部=編「復活の研究」

「集中力というのは、裏返すと言い訳しないということ。自分はそれまで言い訳が多すぎた」

 スポーツ選手が復活していったかを紹介している.
 中嶋常幸はスランプや怪我に悩まされたが,あるトレーナーに出会い,怪我から復活した.
 上記の言葉を拡大解釈すると,私の普段の生活態度にも当てはまる.他のやらなくてはいけないことをやっていて他のことができないのは,「やらなくていけない」という言い訳である.
 復活する人は努力している.そうだな,落込んでいる暇なんてないよな.
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月15日火曜日

荻上チキによる「東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ」

 荻上チキのブログに,災害時のネットでのデマが非常によくまとめられています.

東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ
東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ その2

PS:
 荻上チキを始めて知ったのは,TBSラジオ「アクセス」で宮崎哲弥降板後にパーソナリティとして登場したとき.論点の整理の仕方にとんでもない頭の良さを感じた.その後,後番組の「dig」でレギュラーになった.荻上担当の日はいつも質が高い.聴いている限りでは,荻上が自分でテーマを提案か設定をしているようである.あまり興味がないかなと思っているテーマでも,一体何が問題なのかを整理してくれるので,興味が出てくる.チキ,すごい.

2011年3月14日月曜日

そもそも論は卑怯

 携帯電話によるカンニング騒動のとき,そもそもカンニングができるような試験問題にするほうが悪い,という意見を目にした.しかし,そもそもを議論したところで,今回の問題の対処はできない.
 そもそも論には問題をより高い視点から捉えているように感じがあるが,単に今解決すべき問題から目を背けているだけという面もある.

2011年3月13日日曜日

prayforjapan

泣いた.
http://prayforjapan.jp/tweet.html

福島第一原発についての情報開示

 以下は13日0時12分の情報で記している.

 東京電力HP,原子力安全・保安院HPでは炉心溶融については一切述べていない.セシウムに関しても一切記載がない.東京電力HPでは原子炉に対して海水を注入しているが,何故注入しているかについての記載はない.
東京電力12日午後9時現在
原子力安全・保安院20時05分現在

 しかし,産経新聞12日14時18分の記事では,原子力安全・保安院がセシウムが検出されたと発表し,「保安院幹部は「炉心の燃料が溶け出しているとみてよい」と、炉心溶融が起きたことを明らかにした」と続けている.日本経済新聞WEB刊12日21時53分では「原子力安全・保安院は12日午後、「炉心溶融でしか考えられないことが起きている」と発表した」と報道している.
福島原発で炉心溶融 放射性物質漏れ、事態深刻
海水注入で炉心冷却開始 東電、1号機廃炉も視野

 つまり,報道,HPで情報が異なっている.

 東京電力や政府は不確かな情報でいたずらに不安を煽らないように,もしくは原子力の安全神話を保持し続けたいのだろうか?しかし,現代では情報の開示しない方が不安が高まるし,原子力の安全神話ではなく人命が重要である.そして,我々には情報をもとにして判断する力があるのだ.
 現状では何が原因かを説明することは難しいかもしれない.ただ,何が起きているかは説明できるであろう.

 一体何を信じればいいのか?疑心暗鬼のまま,生きたくはない.

2011年3月12日土曜日

地震の話

 建物が揺れていた.蛍光灯の紐を見ながら,今回は多少揺れているな,なんて思っていた.
 次にものすごい揺れがきた.ディスプレイが急に切れ,PC本体も電源が切れた.すぐにヘルメットをかぶりながら机の下に避難した.揺れは想像以上に長かった.
 揺れがおさまったので,職場の災害係として同僚の怪我の具合を確かめた.幸い誰も怪我がないことを職場責任者に報告した.
 廊下に整列して,避難した.そのときは,揺れがひどかったねなんて会話をしながら駐車場に出た.余震はまだ続いていた.
 1時間以上駐車場にいながら,携帯やラジオで情報を収集していた.職場には仙台に縁がある人もいて,気が気でないようだった.
 職場に戻ってよいとの指示が出された.しかし停電からは復旧しないので,帰宅してもよいとのことになった.
 私は職場と自宅の距離が遠いので,途中まで同僚とタクシーで帰ろうとした.まずはバスに乗ろうとしたが,30分ほど待ってもまったく来ない.後で考えてみると,電鉄系バス会社だったので,鉄道の振替輸送にバスをあてていたのかもしれない.
 駅近くまで歩くことにした.途中のコンビニは停電していて,店内は真っ暗であったが,店員さんが陳列棚を懐中電灯で照らしてくれたので,所望のものを買うことが出来た.多少の混雑はあるものも,誰もが落ち着いてきちんとお金を払って購入しているようだった.日本は絶対に大丈夫,と思った.
 コンビニは停電だったのに,遠くの方は電気がついていた.商店街まで着くと,停電だったのが何かの間違いだったのかというくらい明るかった.ただ,普段よりも人が多かった.
 駅に着いて,タクシーを待った.しかし行列は長く,しかもタクシーが来るような様子もないので,夕食をとることにした.中華料理屋でテレビを観ながら,日本中がとんでもないことになっていることを知った.店内の電話を貸していただき,自宅に電話をかけた.その30分後はつながらなくなっていた.
 もっと大きい駅まで行ってタクシーに乗ろうとした.しかし,そこでもタクシーに乗ることはかなわず,結局歩いて帰ることにした.同僚のスマートフォンに表示してもらったグーグルマップをデジカメで撮影し,ここからは一人で帰ることにした.
 徒歩で帰宅する人は思いのほか多かった.ヘルメットをかぶっている人,緊急用カバンを背負っている人もいた.私はとにかく迷わないようにまっすぐ歩いた.環八まで行けば家までの道は分かる.
 環八の車の交通量はあまり混んでいなかった.4時間ほど歩き,日付が変わった頃に自宅にたどりついた.もともと今週はあまり体調がよくなかったので,風呂に入ってすぐに寝た.

 翌日,テレビを観て,涙が出てきた.

2011年3月7日月曜日

批判する価値もない

 週刊文春の「新聞不信」が好きで毎週読んでいる.新聞やテレビの報道を別の角度から解説してくれるので,どのように報道に接すればいいのかがわかる.
 このように毎週楽しみにしている連載がある一方,週刊文春には何故こんなものを載せるのかわからないほどつまらない連載がある.
 昨年終了した高橋春男の「いわゆるひとつのチョーさん主義」はひどくつまらなかった.これは最近の政治家や芸能人を風刺する漫画のようだが,似顔絵は似ていないし,ネタもちっとも面白くない.
 青木るえかのテレビについての批評も面白くない.まったく調べものをせず,自分の感じたことだけを書き連ねる.ただの感想であり,批評による発展がちっともない.
 ついでに言えば,今井舞のドラマや紅白批評も読むに耐えない.
 
 などと書いていて思い出すのは,学者は批判されると喜ぶという話.学問の世界で批判されるのは,批判されるだけの価値があるからであり,批判するからにはきちんと読み込む必要がある.それだけ自分の著作に対して時間をかけてくれるのは喜びであるのだろう.
 ということで,上記の方々は批判する価値すらないので,今後は何もしない.

2011年3月6日日曜日

宮台真司「14歳からの社会学」

「社会が完全じゃないから、人間は生きていけるし、社会も回っていく。常に前に進んでいける。完全になってしまったら、社会も人間もそこで止まってしまう。ぼくたちは、永久に不完全な存在だからこそ、永久に完全さを求めて前に進むことができる存在なんだ。それを忘れないでおこう。」

 昔の宮台は難しいことを述べていて,私にはちっとも理解できなかった.それが最近,子供ができたからなのか,わかりやすく説明するような文章を書き始めたように思う.もちろん,宮台が専門とする社会はわかりやすく理解できるようなものではないので,社会がいかに理解が困難なものであるかをわかりやすく説明しているのであるが.
 この本は14歳の子供向けの本である.社会をいかにしてとらえるのかの手がかりを書いてあるが,その手がかりを持って社会に入っていくのは自分自身である.
 宮台自身の過去も書かれている.失敗体験,学生時代に小室直樹と廣松渉に感染したこと,自身の映画や本の履歴.子供に語りかけるために,まず自分自身のことを語ろうとしたのだろう.
 書いてあることを頭で理解することはさほど難しくない.ただそれを,心の底まで入れて行動するには時間がかかりそうである.手元において,何度も読み返したい本だ.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月5日土曜日

花粉症の薬

 花粉が飛び始めたようなので,すぐに医者から花粉症の薬を服用している.
 一週間ほどしてから,「花粉症の薬は効いている?」と尋ねられた.もらってから今まで欠かさず服用しており,しかも花粉症の症状が出る前からなので,薬を服用せずにどうなるのかはわからない.ならばこの質問に対して正確に答えるならば,服用しないという対照実験を行わなければならない.しかし,私は花粉症の症状のひどさを毎年経験しているので,実験には簡単に踏み切れるものではない.また,厳密に言えば,服用をしないことをしばらく続けて,最近服用した分の影響が消えるのを待たなければならない.そもそも,私は普段外出して生活しているので,薬の服用是非のみの違いしか出ないような実験環境が整わえられるわけもない.
 などと私の考えをきちんと説明するのが面倒なので,うん効いているよ,と答えるようにしている.

2011年2月28日月曜日

「昔」論

 年配の人が言う,「昔はメールもインターネットもなかった.それでもやっていけた.」と.
 というなら,それより昔は紙も筆もなかったはずだ.

 年配の人が言う,「昔はよかった.みんなが価値観,流行を共有していた.」と.
 一体,何がよいのかちっともわからない.多くの他人と同一の価値観を持つことが何がうれしいのだ.

 年配の人が言う,「この無為な平成の時代.」と.
 責任感がなさすぎる.私は無為な時代の記憶しかない.そして,自分たちが生きてきただけの過去にしがみつき,自分たちが作ってきた新しい時代を否定する.

 「昔」を「自分が生きていた時代」と同一視して,しかも美化しないでほしい.結局,自分が生きてきた環境を世の中の普通としているのではないか.百歩譲って,自分たちが過去を向いて生きるのは勝手であるが,今の時代を否定したらここでしか生きていけない私は一体どうすればいいのだ.

2011年2月27日日曜日

中東から北朝鮮へ

 中東のデモが北朝鮮に移行している報道をきかない.北朝鮮のすごさを感じる.

2011年2月13日日曜日

聞いた言葉20

君がここで,これだったら自分が一番だと言える能力は何だ?

―リーダー

2011年2月11日金曜日

聞いた言葉19

私は2年半お手伝いさんで,何ができるようになったのだろうという感じだったから
上司が心配して新しい仕事をくれた.

―3年目企業研究者

2011年2月10日木曜日

聞いた言葉18

今の内にどんどん社外に出していった方がいいよ.
5年くらいすると,何も残っていなくて,うんざりするから.

―研究者

2011年2月8日火曜日

始発の雰囲気

 早めに会社に行こうと思って,始発に乗った.
 始発にて異様なほどの違和感を感じた.普段会社に行くときにはまったく得ない違和感である.
 乗客を観察しているうちにわかった.私は今,「朝の始まり」という気持ちで始発に乗っているのだが,半分くらいは「夜の終わり」という気持ちのようだ.私はこれから仕事を始めようという気分なのに,半分は家に帰って寝ようと考えているのだ.
 女性専用車両をつくるなら,「始まりの車両」「終わりの車両」をつくってくれないだろうか.もしくは「やる気に満ちている人のための車両」「早く寝たい人の車両」など今の気持ちで分類できないだろうか.そんな妄想すらしてしまう異様な始発だった.

2011年2月7日月曜日

スティーブン・R・コヴィー著,ジェームス・スキナー,川西茂訳「7つの習慣」

「私的成功が公的成功に先立つ」

1、主体性を発揮する.
2、目的を持って始める.
3、重要事項を優先する.
4、Win-Winを考える.
5、理解してから理解される.
6、相乗効果を発揮する.
7、刃を研ぐ.

 以前メンタル系の教育を受けた.これによって落ち込んでから復活するまでの時間が大幅に短くなった.今まで食わず嫌いをしていたメンタル系の本を読んでみようと思った.
 確かにベストセラーになるだけはある.何回も自分にすっと落ちてくるポイントがある.一回読むだけではなく実践するために何度も読んだほうがいいし,せっかくなら他の人とこの本の内容を踏まえて自分たちのことを話すのがいいのではないかとも思った.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年2月6日日曜日

聞いた言葉17

製品化なんて力のある人に言えば,すぐだよ.

―ベテラン研究者

2011年2月5日土曜日

マルクス著,横山正彦訳「賃金,価格,利潤」

「諸商品の価値は、その生産にもちいられる労働時間に正比例し、使用される労働の生産諸力に反比例する」

 この本は資本論の概要らしい.
 工場での生産をもとにしてマルクスは議論しているようだが,作ったものは売れるという前提があるようだ.商品の価値は生産者が決めるものではなく,消費者が決めるものである.生産者が決められるなら,マルクスが批判する資本家は経営センスが抜群ということになるが,これはマルクスの真意ではないと思う.
 いろいろな論点について述べているが,すべて数字が伴っていない議論なので,真偽の判断のしようがない.外国の事例を述べていても,その一件だけでは特殊事例なのか一般事例なのか判定できない.
 何故こんなものが受け入れられたのかの方が気になる.
 などと言っているが,一度読んでみた方がよいよ.私はこれで共産主義者には絶対にならないだろうと思った.
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年1月30日日曜日

聞いた言葉16

約束したなら意地でも達成すること.
そういう覚悟が必要なんだ.

リーダーはわざと騙されている.
メンバーはそれに応えないといけない.
日々努力しました,は認められない.

―経営幹部

2011年1月29日土曜日

聞いた言葉15

ぼくのノートを見せてやりたいよ.全員が全員きれいとは思わないでくれ.

―東大出身者
参考:

2011年1月7日金曜日

MTSファイルをWMVファイルに変換する方法

1, Windows Live ムービー メーカーにMTSファイルを置く.
2, 「ムービーの保存」を選択する.

注:MTSファイルのトリミングはできるようだが,複数ファイルをトリミングすると変換できなくなるようだ.

 これだけで簡単に変換できる.特に変換ソフトを用意する必要はない.映像の劣化は私には確認できなかった.

2011年1月6日木曜日

マルクス,エンゲルス著,大内兵衛,向坂逸郎訳「共産党宣言」

「万国のプロレタリア団結せよ!」

 いかにブルジョアがプロレタリアから搾取しているのか,そしてそれをやめさせなくてはいけない.この宣言が流行った時代には,ブルジョアは生産手段を持ち,プロレタリアは生産力を提供しているだけ,という意識があったようである.しかし,現在では工場労働者の工夫によって製造業の力が維持できるという考えが普通である.監督者が命じた単純労働を行っているだけでは,企業は生きていけない.創意工夫は新しい創意工夫を生む.
 派遣切りが話題になったことがある.非正規労働者と正規労働者の違いとして教育の違いがある.企業は発展しなければいけない.企業は人で成り立っているので,人が成長しなくてはいけない.正規労働者はより難しい仕事を行えるように教育の機会が与えられているが,非正規は現状の仕事を遂行するだけなので,教育は行われない.つまり,非正規は非正規から抜け出すことは困難である.
 宣言が発表された時代には,工員が現在の非正規労働者のような位置づけだったのだろう.そして,団結して生産手段を共有しようと考えた.
 現状の社会認識手段としては現在から見ても古臭いところはあまりない.しかし,その解決手段は生産手段の共有という現実的ではないものだった.

 私だったら団結しようとは思わない.むしろ,上手く立ち回ってブルジョア階級に入る方法を考えてしまう.それは現在,多くの人にとって生産手段を持つことが比較的容易だからかもしれない.インターネットや図書館で知識にアクセスでき,パソコン一台でどこでも起業できる.いい時代だ.
評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年1月5日水曜日

井筒俊彦訳「コーラン」

 そもそも読もうと思ったのは,昨年中東に行ったときに敬虔なイスラム教徒を多く見たこと.ドバイ空港にはお祈りの部屋があり,早朝からモスクに人が集まっている.宗教を知らないと何も世界のことを話せないと気付いて,原典を読むことにした.
 しかし,物事には順番があるので,まずは旧約聖書から読んだ.次に新約聖書,そしてコーラン.
 原典を読んで,原典だけでは現在の宗教を語ることは無理なのだろうと思った.もう少し広く見ないと語れない.今まで宗教のことを語っていたのが怖くなってきた.
 知らないで批判するのはいけないな.でも,いつになったら語れるようになるのだろう?

2011年1月4日火曜日

鉄道の旅 小海線,飯山線

 初乗りを楽しんできた.

-発--駅--着--路線
----西荻窪0433中央線
0513高尾0514中央本線
0551大月0554中央本線
0643甲府0646中央本線
0725小淵沢0748小海線
0956小諸0959しなの鉄道,篠ノ井線
1102長野1135飯山線
1232戸狩野沢温泉1340飯山線
1547越後川口1551上越線
1725水上1729上越線
1820新前橋1825高崎線
1956赤羽2005埼京線
2026渋谷----

 狙いは小海線と飯山線.
 小海線はJR最高地点を一瞬で通り過ぎたり(事前に車内アナウンスがあったので何とか見れた),アニメ絵で路線を盛り上げようとしていたり,小諸に近付くほど逆に発展していたり(考えてみると,新幹線駅に近付いている),という感じ.今度行くなら夏かな.
 長野駅でおやきを買った.「すぐに食べますか?」と言われたので,そう答えたのだが,冷たいままだった.
 戸狩野沢温泉で1時間あるから温泉か,もしくは足湯くらいを楽しめるかと思っていたが,何もなし.橋から景色を撮ったくらいしか面白いことなし.これなら長野で一本遅らせて善光寺に行けばよかった.
 飯山線はよかった.山と川をずっと見ることができる.座るのは必ず越後川口行きなら右側にすること.雪山がきれいだったから,違う季節にもまた行きたいな.
 帰りはきつきつだったので,駅弁すら買う暇なし.ちょっと失敗.