2011年3月28日月曜日

小坂貴志「理系のための英語文献の探し方・読み方」

 副題が「インターネット時代の検索・読解ガイド」である.Yahooとgooの違いを丁寧に紹介しているのが,2001年に発行された感を出している.
 他の部分は,Abstractを活用しようなど基礎的なことが多い.理系のためと書いてあるが,文系でも同様ではないかと思う.

評価:☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月27日日曜日

岡嶋裕史「iPhone 衝撃のビジネスモデル」

概要-------------
 Web2.0では情報発信者同士がやりとりをできるようになるが,現行のインターネットではでは既存大企業が今まで通り強いだけ.Amazonの長所は在庫が膨大にあることであり,それの短所となる店舗を持てない点に関しては,通信販売という方法で対処した.なので,現行のビジネスモデルであり,Web2.0的ではない.グーぐるは広告収入が全収入の99%.
 数々の機器を用いたとしても,一つの入り口となる機器で操作できる方が楽である.それにはUIが重要だが,キーボード,マウス,テンキーには限度がある.しかし,全面タッチパネルのiPhoneはUIの統一に成功した.そして,携帯性もある.
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 2007年5月発行.
 Web2.0の説明からそこにおけるiPhoneのよさまで非常に整理されている.

 今後はAndroidが家庭に一台以上入るという予測もあるようだ.いろいろな機器のリモコンが一つになるだけではなく,一つになるからこそできるサービスも出てくるのだろう.携帯電話は写真が撮れて,決済ができて,音楽が聴けるようになった.いろいろな機能が一つの機器に入っていく時代.
 私は一つにまとめることの怖さがあるので,分散させておきたい.電池が切れたら,何もできなくなってしまう.
 デジタル保存機器はどんどん置き換えられていく.私が体験しているだけでも,フロッピーディスク,MDは最近はほとんど使われておらず,新しい機器が出る度に,移行させられる.
 ネットブックが一時期大ブレークしたが,最近はあまり見なくなったように,スマートフォンも何かが置き換えられていくのだろう.

 そういや昔,テレビのチャンネルを変えられる子供用の腕時計のような機器が売っていた.多分,赤外線を飛ばしているだけだろう.あれ,面白かったな.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月26日土曜日

飯久保廣嗣「質問力」

「なに?」の質問:学ぶ質問
「なぜ?」の質問:考える質問
 学ぶ質問の能力は高いので,これからは考える質問をしよう.考える質問は,状況把握,原因究明,意思決定,リスク対応,の4つの領域に分類される.
 状況把握のためには,問題を挙げて,課題にして,優先順位をつける.

 質問の仕方だけでなく,ものの考え方,捉え方まで述べているけど,「質問力」という本の題名でよかったのかな?いろいろ書いてあってためになったよ.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月25日金曜日

まとまっている

 知らない分野の本を読んで,「この本は分野の概要がよくまとまっているな」という感想を抱くのは論理的におかしいと思う.

2011年3月23日水曜日

藤沢晃治「「分かりやすい表現」の技術」

「分かりやすい表現とは、「受け手の脳内整理棚にしまいやすいように情報を送ること」に、つきます。」

 いかにしてわかりやすい表現をするかについて,非常に平易に述べた本である.分かるとはどういうことかから始めて,分かりにくくなる表現例を見ながら,わかりやすい表現をする際には何に気をつければいいのかが説明されている.
 表現媒体は,文書,看板,チラシ,パワーポイント,メールなど,いろいろであるが,ルールはいつでも一緒である.
 この本を一冊読んでからパワーポイントを作成するのがよい.というか,今まで読んでなくてよくやってこれたなと感じる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月20日日曜日

日本経済新聞社=編「働くということ」

「会社にいても、独立して外に出ても、どんな職業も地道に頑張ることは一緒。人生の最大の楽しみは一所懸命に打ち込む充実感やしね」

 人は何のために働くのか,応えは人それぞれである.生活のために働く人もいれば,仕事を通して何かをしたいと働く人もいる.働くときに難しいのは,各人が異なる意識で仕事に向かっているときである.例えば,若い人は新しいことをやりたいのにベテランがやる気をなくしている場合.また,ベテランが若手には自分の仕事ぶりから学んで欲しいのに,若手は丁寧に教えてもらうことを望んでいる場合.もちろん,同世代でも考え方は異なる.
 だが,どんなときでも,今やるべきことを一生懸命にがんばるのは大事なことだと思う.がんばる場がないとふてくされるのではなく,がんばる場を得るために今のところでがんばる.
 2004年9月にこの本は出版された.星野リゾート社長星野佳路氏や,まだ肩書きが楽天の田中良和氏が登場している.7年間で時代は大きく変わる.
 冒頭の言葉は,60歳で判事を引退した料理人の言葉である.
 
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月17日木曜日

日本のテレビはダメだ

 BBCのHPにあったtweet.

1241: Robert Conrad, who lives in Niigata, in central Japan, writes: "TV drama has now replaced the days of disaster footage on every channel. No-one is thinking of the worst-case scenario except the expats. Japan needs more access to foreign media". Have Your Say

 日本のメディアは外国メディアが日本を称賛しているということは何度も報道したが,耳が痛い報道はしていないようだ.実際,在英日本大使館の一等書記官がBBCのインタビューに出ていたが,BBCのキャスターは日本政府の情報開示に対して疑問を呈しているようだった.また,アメリカは福島原発の半径80kmに避難指示をしたが,当の日本は当時20kmであった.
 こんな中で民放なんか観ていられない.だって,この記事を書いている段階では東京は避難した方がいいかもしれないのに,仮装大賞の再放送なんて観てどうすんのさ?

追記:英語で情報収集を完璧にできないことでこんなにも辛く不安になるとは.

2011年3月16日水曜日

日本経済新聞運動部=編「復活の研究」

「集中力というのは、裏返すと言い訳しないということ。自分はそれまで言い訳が多すぎた」

 スポーツ選手が復活していったかを紹介している.
 中嶋常幸はスランプや怪我に悩まされたが,あるトレーナーに出会い,怪我から復活した.
 上記の言葉を拡大解釈すると,私の普段の生活態度にも当てはまる.他のやらなくてはいけないことをやっていて他のことができないのは,「やらなくていけない」という言い訳である.
 復活する人は努力している.そうだな,落込んでいる暇なんてないよな.
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月15日火曜日

荻上チキによる「東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ」

 荻上チキのブログに,災害時のネットでのデマが非常によくまとめられています.

東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ
東北地方太平洋沖地震、ネット上でのデマまとめ その2

PS:
 荻上チキを始めて知ったのは,TBSラジオ「アクセス」で宮崎哲弥降板後にパーソナリティとして登場したとき.論点の整理の仕方にとんでもない頭の良さを感じた.その後,後番組の「dig」でレギュラーになった.荻上担当の日はいつも質が高い.聴いている限りでは,荻上が自分でテーマを提案か設定をしているようである.あまり興味がないかなと思っているテーマでも,一体何が問題なのかを整理してくれるので,興味が出てくる.チキ,すごい.

2011年3月14日月曜日

そもそも論は卑怯

 携帯電話によるカンニング騒動のとき,そもそもカンニングができるような試験問題にするほうが悪い,という意見を目にした.しかし,そもそもを議論したところで,今回の問題の対処はできない.
 そもそも論には問題をより高い視点から捉えているように感じがあるが,単に今解決すべき問題から目を背けているだけという面もある.

2011年3月13日日曜日

prayforjapan

泣いた.
http://prayforjapan.jp/tweet.html

福島第一原発についての情報開示

 以下は13日0時12分の情報で記している.

 東京電力HP,原子力安全・保安院HPでは炉心溶融については一切述べていない.セシウムに関しても一切記載がない.東京電力HPでは原子炉に対して海水を注入しているが,何故注入しているかについての記載はない.
東京電力12日午後9時現在
原子力安全・保安院20時05分現在

 しかし,産経新聞12日14時18分の記事では,原子力安全・保安院がセシウムが検出されたと発表し,「保安院幹部は「炉心の燃料が溶け出しているとみてよい」と、炉心溶融が起きたことを明らかにした」と続けている.日本経済新聞WEB刊12日21時53分では「原子力安全・保安院は12日午後、「炉心溶融でしか考えられないことが起きている」と発表した」と報道している.
福島原発で炉心溶融 放射性物質漏れ、事態深刻
海水注入で炉心冷却開始 東電、1号機廃炉も視野

 つまり,報道,HPで情報が異なっている.

 東京電力や政府は不確かな情報でいたずらに不安を煽らないように,もしくは原子力の安全神話を保持し続けたいのだろうか?しかし,現代では情報の開示しない方が不安が高まるし,原子力の安全神話ではなく人命が重要である.そして,我々には情報をもとにして判断する力があるのだ.
 現状では何が原因かを説明することは難しいかもしれない.ただ,何が起きているかは説明できるであろう.

 一体何を信じればいいのか?疑心暗鬼のまま,生きたくはない.

2011年3月12日土曜日

地震の話

 建物が揺れていた.蛍光灯の紐を見ながら,今回は多少揺れているな,なんて思っていた.
 次にものすごい揺れがきた.ディスプレイが急に切れ,PC本体も電源が切れた.すぐにヘルメットをかぶりながら机の下に避難した.揺れは想像以上に長かった.
 揺れがおさまったので,職場の災害係として同僚の怪我の具合を確かめた.幸い誰も怪我がないことを職場責任者に報告した.
 廊下に整列して,避難した.そのときは,揺れがひどかったねなんて会話をしながら駐車場に出た.余震はまだ続いていた.
 1時間以上駐車場にいながら,携帯やラジオで情報を収集していた.職場には仙台に縁がある人もいて,気が気でないようだった.
 職場に戻ってよいとの指示が出された.しかし停電からは復旧しないので,帰宅してもよいとのことになった.
 私は職場と自宅の距離が遠いので,途中まで同僚とタクシーで帰ろうとした.まずはバスに乗ろうとしたが,30分ほど待ってもまったく来ない.後で考えてみると,電鉄系バス会社だったので,鉄道の振替輸送にバスをあてていたのかもしれない.
 駅近くまで歩くことにした.途中のコンビニは停電していて,店内は真っ暗であったが,店員さんが陳列棚を懐中電灯で照らしてくれたので,所望のものを買うことが出来た.多少の混雑はあるものも,誰もが落ち着いてきちんとお金を払って購入しているようだった.日本は絶対に大丈夫,と思った.
 コンビニは停電だったのに,遠くの方は電気がついていた.商店街まで着くと,停電だったのが何かの間違いだったのかというくらい明るかった.ただ,普段よりも人が多かった.
 駅に着いて,タクシーを待った.しかし行列は長く,しかもタクシーが来るような様子もないので,夕食をとることにした.中華料理屋でテレビを観ながら,日本中がとんでもないことになっていることを知った.店内の電話を貸していただき,自宅に電話をかけた.その30分後はつながらなくなっていた.
 もっと大きい駅まで行ってタクシーに乗ろうとした.しかし,そこでもタクシーに乗ることはかなわず,結局歩いて帰ることにした.同僚のスマートフォンに表示してもらったグーグルマップをデジカメで撮影し,ここからは一人で帰ることにした.
 徒歩で帰宅する人は思いのほか多かった.ヘルメットをかぶっている人,緊急用カバンを背負っている人もいた.私はとにかく迷わないようにまっすぐ歩いた.環八まで行けば家までの道は分かる.
 環八の車の交通量はあまり混んでいなかった.4時間ほど歩き,日付が変わった頃に自宅にたどりついた.もともと今週はあまり体調がよくなかったので,風呂に入ってすぐに寝た.

 翌日,テレビを観て,涙が出てきた.

2011年3月7日月曜日

批判する価値もない

 週刊文春の「新聞不信」が好きで毎週読んでいる.新聞やテレビの報道を別の角度から解説してくれるので,どのように報道に接すればいいのかがわかる.
 このように毎週楽しみにしている連載がある一方,週刊文春には何故こんなものを載せるのかわからないほどつまらない連載がある.
 昨年終了した高橋春男の「いわゆるひとつのチョーさん主義」はひどくつまらなかった.これは最近の政治家や芸能人を風刺する漫画のようだが,似顔絵は似ていないし,ネタもちっとも面白くない.
 青木るえかのテレビについての批評も面白くない.まったく調べものをせず,自分の感じたことだけを書き連ねる.ただの感想であり,批評による発展がちっともない.
 ついでに言えば,今井舞のドラマや紅白批評も読むに耐えない.
 
 などと書いていて思い出すのは,学者は批判されると喜ぶという話.学問の世界で批判されるのは,批判されるだけの価値があるからであり,批判するからにはきちんと読み込む必要がある.それだけ自分の著作に対して時間をかけてくれるのは喜びであるのだろう.
 ということで,上記の方々は批判する価値すらないので,今後は何もしない.

2011年3月6日日曜日

宮台真司「14歳からの社会学」

「社会が完全じゃないから、人間は生きていけるし、社会も回っていく。常に前に進んでいける。完全になってしまったら、社会も人間もそこで止まってしまう。ぼくたちは、永久に不完全な存在だからこそ、永久に完全さを求めて前に進むことができる存在なんだ。それを忘れないでおこう。」

 昔の宮台は難しいことを述べていて,私にはちっとも理解できなかった.それが最近,子供ができたからなのか,わかりやすく説明するような文章を書き始めたように思う.もちろん,宮台が専門とする社会はわかりやすく理解できるようなものではないので,社会がいかに理解が困難なものであるかをわかりやすく説明しているのであるが.
 この本は14歳の子供向けの本である.社会をいかにしてとらえるのかの手がかりを書いてあるが,その手がかりを持って社会に入っていくのは自分自身である.
 宮台自身の過去も書かれている.失敗体験,学生時代に小室直樹と廣松渉に感染したこと,自身の映画や本の履歴.子供に語りかけるために,まず自分自身のことを語ろうとしたのだろう.
 書いてあることを頭で理解することはさほど難しくない.ただそれを,心の底まで入れて行動するには時間がかかりそうである.手元において,何度も読み返したい本だ.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年3月5日土曜日

花粉症の薬

 花粉が飛び始めたようなので,すぐに医者から花粉症の薬を服用している.
 一週間ほどしてから,「花粉症の薬は効いている?」と尋ねられた.もらってから今まで欠かさず服用しており,しかも花粉症の症状が出る前からなので,薬を服用せずにどうなるのかはわからない.ならばこの質問に対して正確に答えるならば,服用しないという対照実験を行わなければならない.しかし,私は花粉症の症状のひどさを毎年経験しているので,実験には簡単に踏み切れるものではない.また,厳密に言えば,服用をしないことをしばらく続けて,最近服用した分の影響が消えるのを待たなければならない.そもそも,私は普段外出して生活しているので,薬の服用是非のみの違いしか出ないような実験環境が整わえられるわけもない.
 などと私の考えをきちんと説明するのが面倒なので,うん効いているよ,と答えるようにしている.