孫正義が大きいことを言っているので,彼の主張を読んでみた.
http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf
スライド3で「2本柱から4本柱へ」ということで,原子力と火力から,原子力と火力と自然エネルギーと省エネルギーと言っている.省エネルギーは消費の削減であり,他のは生産に関してである.観点がまったく異なっているので,省エネルギーはここに入れるべきではない.まず,このように書いている時点で,この資料の信頼性を疑いたくなる.
スライド7でドイツの太陽光発電を紹介している.資料全体から判断するに,国が自然エネルギー(※1)に資金を導入すべきという事例として紹介されている.しかし,ドイツの太陽光発電は持続可能性という面では政策的に失敗である.
スライド23では,化石・原発エネルギー中心よりも,自然エネルギー中心の方が電気料金が将来的には下がると書いてある.しかし,「○○中心」と書かれてもどのような比率なのかが分からず,参考資料も試算方法も書かれてていない.他のスライドでは書かれているのに,ここにはまったくない.根拠がないという疑念を抱く.
次に書かれていないことについて書く.
太陽光発電パネルは無料でつくれるわけではない.製造,設置,保守,廃棄コストについての試算がまったくない.太陽光発電パネルの寿命はおよそ20年と言われており,大量に設置すれば当然のことながら大量に廃棄される.まったく議論をせずに発電だけを考えれば,原子力の二の舞である.
この資料では自然エネルギーといっておきながら,ほとんど太陽光発電についてしか書かれていない.実際には再生可能エネルギー導入を考えるならば,地熱,水力,風力などを組み合わせていくべきであろうが,孫正義は太陽光にしか興味がないのだろう.何か裏があるのだろうか?
そして大問題は,このようなあやふやな計画を絶賛して実施しようとしている時の首相である.
※1:私は「自然エネルギー」ではなく「再生可能エネルギー」と言いたいが,ここでは資料に則る.
2011年7月3日日曜日
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