2011年7月31日日曜日

なでしこジャパン報道

 なでしこジャパン優勝おめでとう.
 さて,その後の報道でいくつか思ったこと.

(1)荒川静香が金メダルを取った時にスケート場閉鎖反対ムードになった.あれって継続性のある運動だったの?今回もすぐに沈静化するのだろう.本気なら継続しようぜ.

(2)なでしこもポスドクも好きなことをやっている(とされている)のに前者は応援しよう,後者は道を変えろ,と対称的.違いは何だろう?ポスドクもノーベル賞でもとれば同情してくれるのかな?

(3)この待遇で優勝するならこのままでいいじゃん,という話にはならないようだ.

(4)「恋をしているか?」などの個人的な内容が多すぎる.相手を,「サッカー選手」ではなく,「たまたまサッカーをしていた女」として質問をしていた.男性選手にそんな質問はしないだろう.ひどい女性蔑視.

2011年7月30日土曜日

アメリカの政治家の視点

 アメリカ政府は債務の上限を上げようとしているが,共和党は歳出削減を強く要求している.債務不履行なら異常なドル安になりアメリカ国民の富は激減するだろう.多少の歳出削減を要求している共和党は何を考えているのだろうか?
 ドル安になると,輸入が困難になる.アメリカの食糧自給率はカロリーベースで124%(※1),エネルギー自給率は74%(※2).そこそこあるから,ドル安でもやっていけるという算段があるのだろうか?どこまで経済的な影響を考えているのは不明である.
 アメリカの政治家は経済の知識がないのか,有権者だけしか見ていないのか,アメリカ議会が世界経済・政治を変えうる力を持っていることを知らないのか,いずれにしろ驚くべきことだ.リーマンショック後に公的資金注入で手間取って世界から白い眼で見られたことを覚えていないのか,気にしていないのか.

※1:食料自給率とは
※2:主要先進国のエネルギー需要の動向

追記:
カロリーベースの食糧自給率には,コンニャクはまったく貢献しない,というのは正しいですよね??

2011年7月25日月曜日

西尾維新「サイコロジカル」

 最初の場面でやられてしまった.何だ,この過剰なる言葉は.
 
 ところで,ミステリー小説は完璧な論理でなくとも,話が盛り上がるくらいの論理であれば成り立つのね.それを追及されるくらいなら,先に言ってしまって,ストーリーでねじふせてしまう.ある意味,卑怯かもしれない.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月24日日曜日

西尾維新「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」


 人間シリーズを読んでから改めて読み返すと,萩原子荻と西条玉藻の扱いがこれでいいのかと疑問になる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月23日土曜日

死産

 友人の結婚式に出た.新婦が妊娠中であることが明かされ,参加者みんなでお祝いムードになった.いや,厳密にはみんなではない.少なくとも,私と友人Aだけは,お祝い気分にはなれなかった.
 妊娠したからといって,必ずしも生まれるわけではない.Aはそれを知っていたし,私も知っていた.「もしも生まれなかった場合に,誰も悪気はないから,妊婦だけがぶつけるあてのない気持ちを抱いてしまうのだよね.」
 友人Bから妊娠しているとメールが来た.しばらくして,死産になったというメールが来た.慌てて電話をかけたが,私にはかける言葉はない.厳密には自分が経験したといえない話ですが,と前置きして,自分の話をした.相手に何の意味があった話かはわからない.「医者に突きつけられると,やっぱり辛いものね.」
 私に出来るのは,新婦が子供を産めるように祈ることだけだ.

2011年7月22日金曜日

西尾維新「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」

 ミステリーにおける謎として,動機,犯行方法があるのだろう.西尾維新の小説は,それらに重点を置くのではなく,物語の意外性と言葉遣いが重要視されている気がする.特に,西尾維新の言葉の世界に漂ってしまうと,他の文体に戻るのに時間がかかる.
 もう一気に行くしかないな.

 竹のイラストもグッド.
評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月21日木曜日

西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」

「人が喜んでくれる仕事っていうのは長持ちするんだよ。」

 カネの話だけではない.カネを稼ぐためには仕事をしないといけない,ということで,仕事の話も書いてある.仕事がないから,カネを稼げなくて,今の生活を抜け出すことが出来ない,というアジアの子供たちのことも書いてある.

 学生時代よりも,今の方がはるかに楽である.カネを稼いでいるから.自分で自分をコントロールできる権利を持っている.
 旅行していると,とてもその街を気に入って,そこに住みたいと思うことがある.昔は住みたいと思うだけだったが,最近は仕事があれば住めると考えるようになった.いつのころからか,生きることと仕事をすることが不可分になったのだろう.
 仕事をするのは大変だし,仕事だからといってすべてを割り切れるようにはなっていない.なる気もない.だけど,年金暮らしになるよりは,ささやかでもずっと仕事を続けて,カネを稼ぎたいと今思っている.

 よりみちパンセシリーズは昔から大好きだった.発売元の理論社はなんとつぶれてしまったそうだ.これからはイーストプレスが復刊していくそうだ.
評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月20日水曜日

「再生可能エネルギー法案」を読む

 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」,通称再生可能エネルギー法案を読んだ.これは地震が起こる前に経済産業省から提出された法案である.
http://www.meti.go.jp/press/20110311003/20110311003.html
 主な内容は,太陽光,風力,水力,地熱,バイオマス,その他の再生可能エネルギー源を変換して得られた電気を,電力会社は固定量で買い取らなければいけない,である.しかし,電力料金に上乗せすることで,買取分を電気使用者から徴収することが出来る.つまり,この法律による実質的な負担は,電気を使う人たちが払う.
 気になる点は2つある.
 1つ目は,「電気事業者(※電力会社)による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき」には電力網への接続をしなくてもよい,という点である.そもそも太陽光や風力などは発電量が一定しないものなので,これは当然である.これを盾に,電力会社は電気を買い取らないことができる.
 2つ目は,「平成三十三年三月三十一日までの間にこの法律の廃止を含めた見直しを行うものとする」とある点.いわば,10年程度の時限立法である.スペインは太陽光発電に対しての補助金を下げてから,急激に発電量が落ちた.逆の見方をすれば,政府が作り出したバブルがはじけてから,適正な発電量に落ち着いたのだろう.実際,投機目当ての金が入っていた.
 法律の中身が悪いといっているのではない.経済産業省が自分たちの立場で出した法律を,政治主導の民主党政権がきちんと理解しているとは到底思えない.首相が自分の思いを表現した法律を,官邸が主導して出せばいいのだが,これではありものの法律に飛びついたのとしか思えないのだ.

 ところで,孫正義社長は,太陽光発電に執心している.休耕田にボトルでパネルを止める,との主張からは長期的な視点を持っているとは思えない.10年間でごっそり儲けて,その後は撤退する予定という疑念すら持ってしまう.

※この条文には「自然エネルギー」という言葉はない.「この法案のおかげで,自然エネルギーが普及する」と言う人には,ぜひ自然エネルギーの定義を訊いてみよう.(法案推進派の政治家でも自然エネルギーと言っている.賛成・反対の前に中身を読んでくださいね.)

2011年7月17日日曜日

永山嘉昭,山さき紅(※)「説得できるビジネスプレゼン200の鉄則」

「プレゼンテーションとは、自分の主張や意見、アイデアを説明し、相手の理解と納得を通じて、最終的には話し手の意図した結果を得るための、積極的な行動である。」

 資料の作り方,プレゼンの仕方を効率よく上達させるには,練習するだけではなく,よい資料,プレゼントは何かを知っておくべきだと思う.自分で試行錯誤をしていくのも重要であるが,ある程度の型が存在しており,その型通りに行うことで相手にも伝わりやすくなるならば,その通りにやればよい.いわば,新しい言語を考えるのではなく,既存文法を学んだ方が早いということである.
 この本では,プレゼンとは何かから入り,いかにして資料を作成し,プレゼンを行うかを説明している.資料の作成方法では,色相の説明をして,カラー資料を作るポイントを解説するなど,具体的な方法にまで立ち入っている.
 さっさと読んでおけばよかった.

※「さき」は山偏に,「立」の5画目と「可」の1画目を共有しているもの.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月16日土曜日

バーム,松村達雄訳「オズの魔法使い」

 面白い!まったく教訓はなく,ただ単にドロシーたちの冒険話である.過剰とも思える繰り返しや,何のために挟んだのかわからない挿話もすべて面白いからいいやと思えてくる.
 やなせたかしの挿絵もよい.

 有名だけど読んだことない本を読もう企画の一環です.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月15日金曜日

西尾維新「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」

 挿絵がある小説に対する批判として,挿絵が想像力を制限してしまうというのがある.
 この本に関しては,挿絵があるからこそ成り立つ世界がある.逆に考えると,今までの小説は挿絵を軽視していたから挿絵の価値がなかったのだろう.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月14日木曜日

Margaret Johnson "Murder Maker"

I have read four English novels bought in Taiwan. I will read other English books I bought before.
Mr. Murakami, ex CEO of Google, said it is important to read many books whether you understand them or not.

2011年7月12日火曜日

西尾維新「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」

 ミステリー,青春小説,どんな読み方をしても面白い.戯言シリーズは全部読まないと.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月11日月曜日

2011年7月10日日曜日

2011年7月7日の国会答弁

 2011年7月7日の国会答弁.
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 ■再生可能エネルギー
 轟木利治氏(民主) 再生可能エネルギーによる発電費用が化石燃料や原子力と同じになるのはいつか。
 菅直人首相 今回の事故で原子力発電の費用が大幅に上がるのは間違いない。太陽光発電は2030年に現在の6分の1程度に引き下げることを目指している。今の原子力コストとほぼ同等だ。20年後には現在の原発費用に近いところまで太陽光発電や風力発電の費用を引き下げることが可能との私なりの見通しを持っている。
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 このようなコスト試算を私は見たことがない.
 これで再生可能エネルギー法案を通そうとしているのだろうか?信じられない.

2011年7月9日土曜日

西尾維新「きみとぼくが壊した世界」

 はまってしまったので,ずっと読んでいるのです.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月8日金曜日

西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」

 すごいな.読むのが止まらないよ.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月5日火曜日

西尾維新「きみとぼくの壊れた世界」

 「めだかボックス」で西尾維新にはまったので,小説も読んでみた.
 キャラによってどこまで話を展開できるかという挑戦をしているように感じた.
 もっと読んだらもっと長い感想を書こう.ということで,もっと読むこと決定.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年7月4日月曜日

日本原子力文化振興財団による「世論対策マニュアル」

すごいのきた.
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-02/2011070203_01_1.html

追記:2011年7月20日
 週刊現代がこのマニュアルを報じていたが,赤旗の名前はまったくなし.手柄を横取りしちゃダメだよ.

2011年7月3日日曜日

あやふやな「電田プロジェクト」

 孫正義が大きいことを言っているので,彼の主張を読んでみた.
http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf
 スライド3で「2本柱から4本柱へ」ということで,原子力と火力から,原子力と火力と自然エネルギーと省エネルギーと言っている.省エネルギーは消費の削減であり,他のは生産に関してである.観点がまったく異なっているので,省エネルギーはここに入れるべきではない.まず,このように書いている時点で,この資料の信頼性を疑いたくなる.
 スライド7でドイツの太陽光発電を紹介している.資料全体から判断するに,国が自然エネルギー(※1)に資金を導入すべきという事例として紹介されている.しかし,ドイツの太陽光発電は持続可能性という面では政策的に失敗である.
 スライド23では,化石・原発エネルギー中心よりも,自然エネルギー中心の方が電気料金が将来的には下がると書いてある.しかし,「○○中心」と書かれてもどのような比率なのかが分からず,参考資料も試算方法も書かれてていない.他のスライドでは書かれているのに,ここにはまったくない.根拠がないという疑念を抱く.
 次に書かれていないことについて書く.
 太陽光発電パネルは無料でつくれるわけではない.製造,設置,保守,廃棄コストについての試算がまったくない.太陽光発電パネルの寿命はおよそ20年と言われており,大量に設置すれば当然のことながら大量に廃棄される.まったく議論をせずに発電だけを考えれば,原子力の二の舞である.
 この資料では自然エネルギーといっておきながら,ほとんど太陽光発電についてしか書かれていない.実際には再生可能エネルギー導入を考えるならば,地熱,水力,風力などを組み合わせていくべきであろうが,孫正義は太陽光にしか興味がないのだろう.何か裏があるのだろうか?

 そして大問題は,このようなあやふやな計画を絶賛して実施しようとしている時の首相である. 

※1:私は「自然エネルギー」ではなく「再生可能エネルギー」と言いたいが,ここでは資料に則る.

2011年7月1日金曜日

フランスなど

 アムステルダム.
 街並みはきれいである.料理はいまいち.12時間程度しか滞在しなかったからかもしれないが,そんなに面白い街とは思えなかった.
 
 フランス.
 フランスは都市だけではなく,郊外もすばらしいと言われているので,いろいろ行くことにした.
 パリではルーブル,オルセー,国立近代と続けてみたら,芸術の歴史に触れることが出来た.ざっとみていても,目が離せなくなる作品があり,それは私でも知っているようなものである.ドラクロア,ルノアール,ピカソに目と心を奪われた.
 街並みがとてもきれいで,料理もおいしく,いるだけで楽しくなってくる.これだけ芸術が発達していれば,仕事は定時で終わらせて,仕事帰りは別のことを楽しむというのは自然な発想である気がする.
 パリはNYと並んで,私の住みたい街ランキングで1位となった.
 ニースにも行った.南仏では仕事をする気がなくなる.ゆったりとしている.鉄道に乗って田舎にも行ったが,田舎はさびれている場所ではなく,自然と豊かに触れ合うことが出来る場所なのだ.都市にしかできないことはあるが,田舎にしかできないこともある.ピカソ美術館に行った.20分以上見ても何も感じない.でも目を離したくない.初めての感覚に陥った.またピカソを見なくては.
 モナコは街中がショッピングモールのようで,生活感を感じなかった.六本木ヒルズに住みたいと思わない私には,住みたいと思うような場所ではない.
 コルシカ島の鉄道に乗りたいがために,わざわざ行った.ホテルの数が少ないわりに,ネット予約もしにくいので,非常に旅行はしにくい場所である.それでも雄大な自然に触れ,コルシカ島でしか楽しめない料理を食べていると,やはり来た甲斐があったと感じてくる.ガイドブックでは,バスティーアやアジャクシオが旅の拠点のように書かれているが,たいして面白いところではない.カルヴィに泊まりに,信じられないほどの遠浅のビーチや山を楽しむのがよいと思う.

 イタリア.
 ローマは街が博物館.日付が変わるくらいにトレビの泉に行ったら,多くの人がいた.街を歩いていても,特に危険は感じなかった.
 ヴァチカンにも行った.さすが,総本山.荘厳さはとてつもない.

 次はマドリッドでピカソの絵を見たいな.