2011年2月28日月曜日

「昔」論

 年配の人が言う,「昔はメールもインターネットもなかった.それでもやっていけた.」と.
 というなら,それより昔は紙も筆もなかったはずだ.

 年配の人が言う,「昔はよかった.みんなが価値観,流行を共有していた.」と.
 一体,何がよいのかちっともわからない.多くの他人と同一の価値観を持つことが何がうれしいのだ.

 年配の人が言う,「この無為な平成の時代.」と.
 責任感がなさすぎる.私は無為な時代の記憶しかない.そして,自分たちが生きてきただけの過去にしがみつき,自分たちが作ってきた新しい時代を否定する.

 「昔」を「自分が生きていた時代」と同一視して,しかも美化しないでほしい.結局,自分が生きてきた環境を世の中の普通としているのではないか.百歩譲って,自分たちが過去を向いて生きるのは勝手であるが,今の時代を否定したらここでしか生きていけない私は一体どうすればいいのだ.

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