2009年7月27日月曜日

聞いた言葉

論文は一つのいいところで出せる。
製品は一つの悪いところで出せない。

―技術者

2009年7月26日日曜日

ティーク、大畑末吉訳「長靴をはいた牡猫」

「ただ、わたしが長靴をはくのを、何か特別のことだと思ってくれさえしなけりゃいんです。万事は慣れですよ。」

私はこの戯曲は長靴をはいた猫の冒険譚だと思っていたのだが、実は劇中劇として「長靴をはいた牡猫」が上演されており、しかもその話もぐちゃぐちゃ。演劇とは何なのかという概念がこんがらがる。チェルフィッチュの「三月の5日間」を観て以来久しぶりにぐらぐらした気持ちになった。
当時の演劇界を風刺しているようであるが、それを知らないと風刺の鋭さもよくわからない。当時の文化を心に留めながら作品を味あわなくてはいけないのはわかる。ただ、今から18世紀から19世紀に変わり目あたりのドイツの演劇事情を調べようとは思えない。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2009年7月25日土曜日

ポアンカレ、吉田洋一訳「科学と方法」

「事実の重大であるか否かはその産出力、いいかえれば、そのために吾々が節約し得る思考の量の大小によって測られるのである。」

生命科学者を目指している友人から勧められた後に本棚を見ていたら、発見した。高校生の時に買ったのだろうが、読んでいなかった。
ポアンカレが批判している理論は現代の私たちにはあまり知られていないものだろう。かといって、その手法自体は決して古びることはない。
私は自分のしたことが、それにかかった時間よりも、他人がそれに対して時間を使ってくれるものが価値があるものだと思っている。例えば、この日記を10分で書いたとして、読む人全員で10分以上使ってくれれば、その文章が価値があるものだと思っている。私の考えからすれば、古典は、多くの人がその古典の言葉や精神に対して幾度となく反芻することで多くの時間を費やすほどの価値があるため、すばらしい。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2009年7月18日土曜日

都議選は戦略ミス

2009年7月12日に行われた都議選での幸福実現党の総得票数は13401票であり、当選者のうちの最低得票数は千代田区の栗下善行氏(26歳民新)の9872票である。つまり、幸福実現党は千代田区に専念すれば、議席が確保できたのだ。
ついでに言っておくと、社民党の総得票数は20084票である。
東京都選挙管理委員会の資料によれば、今回立候補した党派は、自由民主党、民主党、公明党、日本共産党、東京・生活者ネットワークであり、他は無所属かその他である。社民党はその他扱いだ。2人しか立候補していないなら当然か。
福島みずほ氏のブログによれば、「議席が獲得できますように!」と書いてあるが、社民党の候補者は他の候補者に倍以上の差をつけられて負けている。戦略的に勝とうとしているとはまったく思えない。そして、そのような戦略しかできない党に政治を任せることなんかできない。
またブログには、都議選の応援中に年金問題をある年配の女性から訴えられたとある。しかし、これは国の政策の話であり、都政とは何の関係もない。そんな区別もつかないのか。

http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/h21togisen/indexa.html

2009年7月13日月曜日

ゲーテ、佐藤通次訳「若きヴェールテルの悩み」

「「彼女に会える!」朝、目がさめて、晴れやかな気持で美しい太陽を迎えるとき、僕はこう叫ぶ。「彼女に会える!」そして、一日じゅう、僕にはこのほかの願いは何もない。すべてがこの期待の中に呑みこまれてしまう。」

ヴェールテルはシャルロッテに恋をする。そして、その恋はどうなるのか。
恋をするのは暇だから、という言葉があるが、ヴェールテルは仕事をしているくせに暇である。ヴェールテルが友人に書簡を送るという形で話が進行する。ヴェールテルは恋ばかりしていて、暇そうだ。
私は今まで詩人をよくわかっていなかった。詩人の言葉を紡ぎ出す力はとんでもない。一つ一つの言葉が私の中に入ってくる。寝ていても、体の中で言葉がうごめいていた。

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)
これはむしろ「若きウェルテルの悩み」として有名だろう。リンクは手に入りやすそうな岩波文庫版「若きウェルテルの悩み」にしておく。

2009年7月12日日曜日

芥川龍之介「侏儒の言葉・西方の人」

「完全に自己を告白することは何人にも出来ることではない。同時に又自己を告白せずには如何なる表現も出来るものではない。」

芥川が一つ一つのテーマについて述べた箴言集である。芸術や作家などに関しては自己が深く関わっているからであろうか非常に面白いのだが、多くのテーマに関してはさほど深みが感じられず面白くない。
一応付言しておく。私は芥川の「枯野抄」が大好きである。

評価:☆
(1-5で基本は2)

2009年7月4日土曜日

下村湖人訳「現代訳論語」

「君子は自分に能力がないのを苦にする。しかし、人が自分を知ってくれないのを苦にしないものだ。」

今、論語を読むと、古臭いと思う部分もある。しかし、もちろん今でも役に立つ部分が多くある。
論語には様々な言葉が収められており、それらは人生のある時点においては、まったく必要性を感じないこともある。しかし、しばらくしたら、ずっと心に留めておかなくてはいけないだろうと感じる言葉が多い。
人生の節目節目、もしくは逆にずっと変わっていないような人生を歩んでいる時に、改めて開くことで人生を考え直し契機を与えてくれる本である。

注:私が読んだ角川文庫版は、現在では手に入らないようだ。PHP研究所版のリンクをつけておく。PHPというだけで残念ながら安っぽくなってしまうが、中身は劣化しないと信じている。

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2009年7月1日水曜日

G. Polya "How to Solve It"

"What is the unknown? What are the data? What is the condition?"

The reason I read it was that our textbook for software seminar said, "At one time, Microsoft gave this book to all its new programmers."(Steve McConnell Code Complete)
When we solve a mathematical question, we tend to lose our way. We always have to understand what to do, in short "What is the unknown?". We have to know what we have, or "What are the data?". Then we link the unknown to the data, i.e. "What is the condition?".
Polya is a mathematician. But The ideas in this book can apply to any problem. When we face a problem, we have to devide it and change it to solve.

Score: 3 star