2009年2月7日土曜日

中国経済事情

同期の中国人が上海の近くにマンションを持っている。2年後にモノレールが開通したら、値上がりするはずだからその後売るそうだ。
日本人の同期と共に、そんなことはない、表に出ていない情報がないならこれから上がることはない、だから早く売った方がいい、と主張した。
「いやいや、もっと上がる」と中国人は譲らない。

一回バブルを経験しないと意味がわからないのかな。

2009年2月1日日曜日

社会主義は可能か?

「一九二〇年に、ミーゼス(Ludwig Edler von Mises)が、このような経済計画(筆者注:さまざまな生産手段を、どのように使って、なにをどれだけ生産し、その果実をどのよに分配するかという計画)を合理的に作成するためには、何百万という方程式を解かなければならなくなって、実際に計算することは不可能であるということを主張した。」(宇沢弘文「経済学の考え方」P47)

数理工学出身の先輩に現在計算機でどれくらいの連立方程式が解けるのか質問した。多分、このような連立方程式は行列でかいた場合は0である成分が多いはずだから擬似逆行列を使えば大きなものでも解けるのはないかとの答えだった。正則行列なら逆行列さえ求まれば解は簡単に求まるが、階数がそんなにきれいにいくとも思えない。
ミーゼスは方程式と述べているだけであり、それが線形なのか非線形なのかはわからない。ただ、初期の経済学では線形方程式を扱っているし、所詮人間が想像できるのは線形だから経済をモデル化する際には線形で行っていたとの予想は出来る。

科学の進歩により、昔予言されていたものが発見や証明されたことが多くある。さて、コンピュータの進歩により、社会主義は可能になったのだろうか?そして、コンピュータが進歩すれば、社会主義は可能になるのだろうか?経済学においては、ヒックスの「週」のように、瞬時に計算するという前提をおいたものもある。こんなことは不可能だからということで実際にはできないという結論になった考え方は、技術の進歩により復活するのだろうか?

追記:

線形計画法の人と話した。彼の話を聞くに、方程式ではなく、連立一次不等式を解くようだ。一般に、制約式は一次不等式で書けて、目的関数だけはどうなるのかわからないそう。ミーゼス以前が不等式か方程式かは調べきなかったが、彼以後のワルラスの一般均衡理論では需要関数や供給関数は一次同次式で与えられて、制約式は一次不等式である。無差別曲線を与える式は、「経済学の考え方」を読んでいるだけでは、不明である。ミーゼスは本当に不等式ではなく、方程式で考えていたかはわからない。
人は「合理的」に行動しないため、そこまで意識した経済学があるそうだが、人の心と行動は心理学ですら分からない部分が多い。それにより、初期値が変わり結果は大きく変わってしまうのは複雑系の議論から考えれば自然だ。
ものごとを精密にすればするほど正確に把握することの難しさもさることながら、大枠さえ当てはめることも難しくなってしまったようだ。

(経済学と社会の関係を自然科学の歩んだ道や、科学技術の進歩と絡めて眺めることに私は非常に関心があることに最近気付いたが、そのまとめは後日記す。)