2011年10月10日月曜日

知の既得権益を壊す企業

http://cunited.jp/
この会社は学びたい人と教えたい人をつなげる事業をしている.この事業は社会の仕組みの変革を担うかもしれない.
一つ目の理由として,この事業は国家が持っていた「教育」という権力の剥奪に役立つことだ.教育は学校で行われて,国家に役立つ人材を育てるために行われる.しかしこの事業では学校以外の場所で知識の流通を手助けする.
二つ目の理由は,この事業は専門家集団で閉じられた知識とは別に,新しい知識の価値を提案していることである.専門家集団はピアレビューで質の担保を行いつつも,悪い面として自分たちの考えに合わない思想に存在価値を与えてこなかった.この事業は知識の権威付けから逃れて,知識の受け渡しをするごく小さな小集団の中で知識に価値を与えている.専門家集団の知識は現在非常に高値で取引されている.学会に入らなければ知識は手に入らず,論文誌は非常に高価なので個人で読むには経済的負担が大きい.にもかかわらず,大学には多くの税金がつぎ込まれている.それに対して,この事業では運営会社が知識の値段をつけて,専門家集団とは別のローカルナレッジを上手に流通させている.一般にローカルナレッジはローカルでおさまってしまって,必要とする人間が発見するのが難しい.よって埋没してしまっていた.この事業は,市場に出す知識を見つける,市場をつくる,がポイントであろう.
知識の既得権益に対抗して,新たな市民社会の創生のための知識の流通がより活発になることを期待する.

0 件のコメント:

コメントを投稿