2010年7月25日日曜日

富塚清「ライト兄弟」

 そり,模型飛行機,印刷機,自転車,そして飛行機.足りなければ自分で作ろうという気持ち,それが飛行機の成功にまで結びついたのだろうな.
 やる気が出た.
 小学生向けの伝記はよいね.あんまり悪いことが書いていないから,とても前向きな気分になれる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月21日水曜日

「マンガ脳の鍛えかた」

「『週刊少年ジャンプ』で連載を持つのは、メジャーリーグでレギュラーになるよりもきついんじゃないかなあ。」

 週刊少年ジャンプに連載経験を持つ漫画家へのインタビュー集,本宮ひろ志,荒木飛呂彦,高橋陽一などの昔のジャンプを担った世代からから,尾田栄一郎,岸本斉史などの今のジャンプを担う世代まで,インタビュー対象は幅広い.
 その中でも共通しているのは,超一流の漫画家としての第一線にいる努力は,想像を絶するものであるということだ.そこらの人間が頑張っています,というレベルではない.これほどやらないとジャンプで連載はできない.
 最近はライフワークバランスなんて言葉が出てきたが,仕事にしがみついて集中していかないと見えてこない世界もあるのだろう.とても仕事に対してやる気がわいてくる本である.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月20日火曜日

大回り 2時間15分7路線編

 大回りしてきた.大回り初心者の為に,ミニコースを作成.
 すべて違う路線というところがポイント.

-発--駅--着--路線
----東京1853京葉線
1922西船橋1927総武本線
1954秋葉原2000京浜東北線
2002御徒町2007山手線
2009上野2021東北本線
2030赤羽2039埼京線
2053新宿2057中央線
2108神田----

 京葉線からの夕焼けがよかった.
 自分では,東京から秋葉原に戻ってその間にある神田で終わるところと,秋葉原から上野に行く際にわざわざ御徒町で乗り換えるところと,東北本線快速ラビット号に乗りながらも一駅でしかも東京を出ずに北区の赤羽で乗り換えるところが気に入っているのだが,同行人たちには伝わっていたのかは不明.

2010年7月19日月曜日

松岡正剛「多読術」

「読書は「わからないから読む」。それに尽きます。」

 知の巨人と言われる松岡正剛の書いた多読術.いかにして多くの本を読んでいくかという小手先のテクニックではなく,いかにして本を読んでいくかという本と向き合う態度について述べている.
 最近の本の読み方に関する本は,いかにして早く本から情報を得ることを目標としているような印象があるが,この本は読書そのものを楽しもうとしている.その点が,スキル偏重の薄っぺらい読書本との違いを出している.
 この本を読むと,本が世の中にあることがとても幸せなことであるように感じてくる.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月18日日曜日

岩波書店「科学 2010年6月号」

「法廷では科学的証拠と呼ばれるモノの非科学性にうんざりするし,科学者との議論では科学者の法システムへの無理解に…….それでも現実には,法律家と科学者は協働せざるを得ないのだ.」

 以前,中村多美子氏が話題提供をされたサイエンスカフェに参加したときに,法曹界の科学に対する誤解を聞き紹介を受けた.例えば,科学的証拠を扱う際に,東京大学と地方大学が同じことを調べて異なる結果が出た場合に,東京大学の述べることが正しいと見なす,ということなのだ.科学的に考えれば,権威は科学的証拠に対しては何も関係しない.一方,科学者はそのような法廷の状況を聞き,出廷を躊躇するようになる.
 本号の特集は「法廷における科学」である.本号には,DNA鑑定,自白,精神鑑定,疫学など様々なテーマが並ぶ.
 DNA鑑定の項では,DNA鑑定自体は非常に制度が高いが,それを正しくない操作で行った場合に,冤罪を生む可能性があることが指摘されている.実に,当然のことである.
 
 全体として非常に冷静に,科学的に書いている.(自白に関しては少し感情的であるという印象を受けたが.)今後,よりよい法治国家になるべく,国民全体での冷静な議論を希望する.

追記:
 75年前の記事が掲載されている.科学を進めるには自由が必要である.時代が変わっても,大事なことは変わりない.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/

2010年7月17日土曜日

参院選雑感

 選挙が終わったので好き勝手書くぞ.(選挙期間中は特定政党について書くと,公職選挙法に抵触する恐れがあったので,何も書かなかった.)
 
・議員定数削減を打ち出しているが本気か?二大政党制が上手く機能していないのは,国民の意見を二つの主張だけに集約することが不可能だという証拠なのだから,むしろ議員を増やして多様な意見を国会の場に持ち込むべきでは?仕事をしていない議員がいるのではないか?,という国民不信に対して,それを受け入れる形で議員定数を削減するのではなく,一生懸命仕事して(当然誰もがしているだろうからそれが伝えて伝えていかないといけない)これだけ議員が必要である,と訴える人の方が,また票を獲得できるのでは?
・いつ消費税が争点になったの?前首相は,米軍基地を含む安保や外交問題,そして政治と金の問題で辞めたのに,誰も触れない.そして,消費税なんて小手先の税制を変えたくらいで,日本の巨額赤字は解消できない.
・有田芳生は2008年9月衆議院議員選挙に新党日本の副代表として立候補したのに,今回は民主党なのね.
・マスコミの報道では,政策はすべての政党のものを説明しないといけないらしいが,そこに登場していない政党は政党と見なされていないのか?果たして,その基準は何だ?(あるのだろうけど,知らない.)
・民主党は前回の参議院選で大勝した際に「直近の民意」という言葉で,安倍首相を退陣においやったが,今回負けた場合はちゃんと民意を反映してくれるのかしら?せめて,議席0の国民新党は連立から追い出してほしいね.
・谷亮子に関して面白い冗談を聞いた.(友達や私がマスコミ報道で聞いたもの.)
*「日本を背負います」と言うが,そのまま投げ飛ばすのでは?
*田村で金,谷でも金,ママでも金,政治家でカネ.
・政治は国民の義務かもしれないが,費用対効果が著しく低く感じてしまう.院生の時は,毎日のように政治をチェックしていたが,最近はとんと興味がなくなってしまった.
・科学技術政策について訴えるには,科学者などが国政に行くべきなのではないかと思う.他人に頼んだり,文句を言うくらいなら,自分でやった方がいいのかも.とすると,国会の場で国民全体の利益を考える必要があるのか悩む.みんなが,あくまで持続可能な範囲で,自分の利益を最大化するように活動するほうがいいのか,それとも全体を考えるべきか.行政府は全体を考えるべきだろうが,立法府なら自分のことだけでもいいのかも.
・タレント議員が思ったよりも落ちたのが嬉しかった.
・女性党(宗教政党)のHPは具体的な政策が何一つ書いていない.一体何をしたいのだろう?
・開票速報はTBSラジオが面白かった.

2010年7月16日金曜日

科学技術ガバナンスの未来とテクノロジ-アセスメント

http://i2ta.org/news/i2ta/stg-sp.html

 最初に鈴木寛文部科学省副大臣が科学技術立国構想を講演.
・産学官が協働し,府省横断的な研究開発マネジメントを実施
・ポートフォリオを考慮した投資
  個別ではなく全体としての評価
・科学技術・イノベーション政策のための科学
  人材育成要

 鈴木副大臣は元通産官僚.官僚の作文をそのまま述べているのかもしれないが,非常に頭がよさそうという印象を受けた.

 パネルディスカッションでは,実際は時間がなかったので鈴木副大臣の意見に対して五神真氏と鈴木達二郎氏がコメントを述べて鈴木副大臣が再度意見を述べるというだけだったが,人材育成には安定な制度が必要との意見が出された.私は,長期的な政策に関しては超党派で行ったほうがいいのではないかと感じた.
 
 今回は,I2TAプロジェクトなどが主催となった企画である.もっとTAなどの政策評価の必要性を前面に出してもよかったと思う.

2010年7月15日木曜日

本を100冊読む

 一年間に読む本の量として,私は一つの目安として100冊と考えている.一週間に2冊,またはきりがよい,という程度の理由しかないが.
 去年は72冊である.今年はこのままのペースならもう少し少なそうである.
 本はいろいろある.今読んでいる本は,1ページで上下段となっており,1700ページである.また,技術書は理解しながら読もうとすると,時間がかかるのは当然のことである.かといって,立ち読みで太字になっているところを見るだけで本全体の内容がほとんどわかるような本もある.現在はすべてひっくるめて一冊として数え上げるようにしている.ページ数でカウントしてもよいが,結局何冊読んだのかが気になるので,あまり意味がない.
 このように考えてくると,本を100冊読むこと自体にはあまり意味がないように思えてくる.実は,本を選べば100冊読むことなんて簡単である.しかし,その程度の本である.
 とすると,大事なことは,面白い本を100冊読むことである.そのためには本を100冊以上読む必要がある.現在の読書量からすれば無理である.なので,面白い本を30冊というくらいに目標を変えようかと思案中である.これが,当初の100冊という目標よりも高いか低いかはまだわからない.外さないように古典を読んでも,ちっとも面白くないものもあるからである.

2010年7月14日水曜日

Charles Petzeld著,永山操翻訳「CODE コードから見たコンピュータのからくり」

「この本はコンピュータの仕組みを相当深く説明するが(例えば、コンピュータのプロセッサが実際にどのように動くのかを示した本は、他にはほとんどない)、そのペースはかなりゆっくりである。深いけれども、できるだけ快適なたびになるように努力した。」

 モールス信号,点字から始まり,電信とリレーのしくみ,フリップフロップ,メモリ,自動化を経て,マイクロプロセッサ,OS,プログラミング言語,GUIまで至る,長い長いコンピュータを理解する旅である.
 17章「オートメーション」で得られる知的興奮により,その章を読み終える頃には心地よい疲れが得られるほどである.
 コンピュータの仕組みは実際のコンピュータがどのようになっているかを説明するよりも,その前段階にどのようになっていたのかを理解するのがよい.それは単純な構造だからこそ理解しやすい目的や構造があるからだ.
 500ページ以上あるが,熱中して読むことをおすすめする素晴らしい一冊である.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月13日火曜日

椎木一夫「エンジニアが30歳までに身につけておくべきこと」

 いかにエンジニアが立派な職業で,若いうちにがんばらないといけないということを,個人レベル,国家レベルで論じても,問題はそれを実行に移せるかどうかではないか?納得と行動の間には相当大きな壁がある.
 この本で疑問だったのが,特許戦略を述べても部分.20代のエンジニアでもわかっておくべきことなのかな?

評価:☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月12日月曜日

菊地正典「プロ技術者になる!エンジニアの勉強法」

 幅広く勉強して,深く勉強して,広く人と付き合うこと.

評価:☆☆
(1-5で基本は2)

2010年7月11日日曜日

大科学実験

 これはとても面白い!
http://www.daikagaku.jp/
 科学的に言われていることを実験してみる番組である.
 第一回は,音速を調べている.直線上に20メートルずつ86人を配置する.そこで,大きな音を出して,聞こえたら旗を上げてもらう.これにより音の速さを実感しようという試みである.
 この面白さは感動ものだ.動画も配信中.

2010年7月10日土曜日

柳澤大輔「アイデアは考えるな。」

 面白法人カヤックの代表取締役のアイデアを出す方法.
 アイデアを出せない人にありがちなのが,一ついいアイデアを出そうとするから.それよりも10個アイデアを出したほうがいい.また,アイデアを出すにはファシリテータが重要で,人に話を上手く引き出すのがよい.

 以前,ブレインストーミングがうまく行かない現場に何度も出くわしたことがある.原因を考えてみると,アイデアを出せばいいのに,長々と話をする人がいたからである.全員が場の雰囲気を上手くつくる必要性を知っていればいいのだが,なかなかそんなことはない.とすると,誰かしら場の雰囲気をつくる人が必要なのだろう.

評価:☆☆
(1-5で基本は2)