2011年6月26日日曜日

石川憲二「自然エネルギーの可能性と限界」

「残念ながら愛だけでは地球は救えない.もちろんそういう感情が人を動かす原動力になることはわかっているが、行動と成果を確実に結び付けるには、科学技術の知識に基づいた分析と検討、そして判断をする力が必要だということを少しでも多くの人にわかってほしい。」

要約:
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 自然エネルギーというと,化石燃料も自然エネルギーである.なので,再生可能エネルギーというべきである.
 風力の発電出力は到底火力や原子力に変わりうるものではない.行うならば,地産地消にするか,風力発電ではなく風力そのものを使えばよい.
 日本は太陽光発電に向いていない.使うならば,こちらもそのまま使えばよい.
 日本は水力,地熱が向いている.
 普及とともに再生可能エネルギーの導入コストが下がるというのはうそである.半導体のように一定面積で高効率というのではなく,太陽光発電ではパネルの大きさそのものが発電量にそのまま直結する.つまり,材料費が主なので,半導体ほどは下がらない.
 補助金が終了したら太陽光発電の生産をやめるというメーカーもある.
 CO2削減のためならば,新エネルギー導入ではなく,省エネを進めたり,既存設備の発電効率を上げたりするのも効果がある.
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 ドイツの太陽光発電量は世界一であるが,ドイツの総発電量の1%似過ぎない.そして,発電買取という負担が国民に大きくのしかかっている.
 太陽光発電のパネルは20年程度で使用できなくなる.大量に導入した場合には,それらの廃棄に関する問題が同時に発生するのは間違いないが,それらを冷静に議論している太陽光発電推進者を見たことがない.結局,原子力の放射性廃棄物問題と同様のことが起こっている.
 理念から動くことに対しては否定はしない.ただ,問題は冷静に解決していかなくてはならない.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

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