2009年6月28日日曜日

澤田昭夫「論文の書き方」

「研究する、論文を書くというしごとの第一の課題は、なにについて研究し、書くかというトピック選びです。」

この本は「論文のレトリック」よりも上位概念での論文の書き方を説明している。トピック選び、資料収集や整理、論文書き、そして本の読み方や、話し方まで網羅している。歴史学という分野に特化している気もするが、自然科学でも十分に使えることを書いてあるので、学問や研究を行う人は全員読むべきである。
この本の対象は研究を行う人間だけではない。会社員も資料や報告書を膨大に書かなくてはならない。これらでも、読む対象は誰か、何を伝えるべきか、何のために調べて報告するのかは考えながら書かなくてはいけない。
何故早くこのような本を読まなかったかと嘆きたくなる。

追記:
「研究の過程で、どうしてもさらに知識を広め、深める必要があるのに気がつくでしょう。自分の能力の限界というのは、ある程度相対的なものです。何について知識が足りないか、常に自問しながら、隣接学問分野や新しい分野の学習を体系的に進めていけば、能力の限界はある程度まで克服されるはずです。」
こういう言葉に救われる。そして、救われたら自分で進まなきゃ。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

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