世の中グローバル化が進んで,文化の多様性が失われて,世界中で言語が消滅しつつあるらしい.
さて,プログラミング言語も言語である.こちらは増えているが,広まっていないものも数多くある.情報系の博士コースの院生が自分の考えた言語を実装してみたというものがPh.D言語である.多くのPh.D言語はPh.D取得のために実装され,Ph.D取得後は何のメンテナンスもされずにほったらかしにされる.
ポアンカレ(吉田洋一訳)「科学の方法」には「社会学の学位論文が出るたびに新しい方法が提出され、しかもその論文を書いた新ドクトルはひらすらその方法を用いざらんとこれを努める。したがって、社会学はその有する方法の数はもっとも多く、その挙げ得る結果はもっとも少ないという科学である。」(旧字体は新字体に直した)とある。数学をやっていた人間としては,社会学は積み重ねがない学問なのかと思っていたが,ソフトウェア科学の分野も大差がないことがわかってきた.
2010年5月16日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
Ph.D言語といわれる言語を一つも知らないのですが、実際にそのような言語のうちの1つでもご覧になりましたか。Ph.D言語が設計されて実装される背景が示されていないと、このエントリーの結論が出てきた理由も読み手にとっては不明瞭になります。
返信削除ソフトウェア科学でいう「Ph.D言語」は、社会学でいう「新しい方法」と似ているという観察があるようですが、どのあたりが似ているのでしょうか。