「原子力という言葉は少なくとも日本では、もっぱら民事利用分野をさつものと理解されることが多いのである。それは核エネルギー技術の本質的なデュアリティー(軍民両用性)の理解を鈍らせる結果をもたらす恐れがある。」
日本の原子力の歩みを、1939年の戦時中から最近(発行年は1999年)まで丁寧に丁寧に追っている本である。アクターは主に官と電力業界であり、メーカーの動きはあまり追っていない。それでも分量は足りないくらいである。
筆者は原子力に関しては、非常に否定的な立場にいる。最初に宣言しているので、読むほうとしてはわかりやすい。
日本政府は実はあまり関与しておらず、むしろできておらず、経済産業省と科学技術庁がいかに縄張り争いをし、電力業界が当初は言いなりだったが、徐々に経済的な理由から独立していく様子が描かれている。
最後には何故脱原子力なのかを説明している。
今度原子力関係のイベントに行くと同僚に行ったら、この本を貸してくれた。二回読んだ。
評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)
2010年1月22日金曜日
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