2010年1月10日日曜日

相田洋「新・電子立国〈1〉ソフトウェア帝国の誕生」

「全員がビル・ゲイツの知識の豊富さと頭の良さに舌を巻きました。」

「電子立国 日本の自叙伝」ではハードウェアの話であったが、「新・電子立国」ではソフトウェアの話が主である。この巻ではマイクロソフトがいかにしてソフトウェア産業における覇権を握っていったかが書かれている。
まず、ビル・ゲイツは技術者としてとても優秀である。高校時代にコンピュータにはまり会社を興す。IBMなど名だたる大企業を相手にしていく。
そして、経営者としても優秀である。いかにして自分達の技術で攻めていくのか、時代の流れの先をきちんと予測している。

この本で面白かったのは、デファクトスタンダードの話だ。NECはインテルのマイコンチップ「0808」の性能をアップして売り出したがちっとも売れなかった。何故ならインテル製と互換性がないからである。結局、NECの販売部門が技術者に「改悪」を要求して、売れることになった。
未だにメーカーはいい製品を出せば売れると考えているが、いい製品とは革新的な性能ではなく、使いやすい製品である。事実上の規格を自分達で作ってしまうことも重要であるが、もう一つ規格策定も重要である。そこに日本は出て行かないといけないのだが、欧米は自分達以外を規格策定会議から締め出し勝手に規格を決め、他者に要求してくる。一度でも「文明」を持ったことがないと、規格をつくって世界中の国々を従わせるという発想はでないのだろうか?

もう一つ、年齢の話。ビル・ゲイツは40歳で世界一の資本家。ケネディは43歳でアメリカ合衆国第35代大統領。
急がないと。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

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