2009年9月21日月曜日

竹内靖雄「経済倫理学のすすめ」

「われわれは倫理問題を、その成立の根は感情問題にあることを認めながら、できるだけそれを感情のレベルでは処理せず、可能な限り「勘定」の問題として取り扱う、という立場をとりたい。」

薬害は非常に大きな社会問題である。治験という言葉はあるが、簡単に言えば人体実験である。しかし、新しい薬を社会に出していくためには、この人体実験をやめさせることはできない。
もちろん製薬会社は最新の注意を払っているが、動物実験での結果を意図的に取捨選択は行っているという話もある。治験段階でのデータの提出は明確に決められているが、それ以前はきちんとしていないと主張する人もある。
製薬会社も薬害はなくしたい。しかし、多くの人間が使えば副作用が出る人もいるのはいたしかたなく、そのために薬を禁止すれば救われるはずの多くの命が失われるかもしれない。多少薬害が出たとしても、ある程度は補償金などを払うことで解決してしまったほうが経営判断として妥当かもしれない。
人間感情はすべてを金銭に置き換えることは不可能であるとの反論もあるだろう。私は最初から不可能であるとは断じず、できるところまでやってみて、少しでも論点、費用対効果が明確になった状態で議論すべきだと思う。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

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