2009年7月26日日曜日

ティーク、大畑末吉訳「長靴をはいた牡猫」

「ただ、わたしが長靴をはくのを、何か特別のことだと思ってくれさえしなけりゃいんです。万事は慣れですよ。」

私はこの戯曲は長靴をはいた猫の冒険譚だと思っていたのだが、実は劇中劇として「長靴をはいた牡猫」が上演されており、しかもその話もぐちゃぐちゃ。演劇とは何なのかという概念がこんがらがる。チェルフィッチュの「三月の5日間」を観て以来久しぶりにぐらぐらした気持ちになった。
当時の演劇界を風刺しているようであるが、それを知らないと風刺の鋭さもよくわからない。当時の文化を心に留めながら作品を味あわなくてはいけないのはわかる。ただ、今から18世紀から19世紀に変わり目あたりのドイツの演劇事情を調べようとは思えない。

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

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