2009年7月4日土曜日

下村湖人訳「現代訳論語」

「君子は自分に能力がないのを苦にする。しかし、人が自分を知ってくれないのを苦にしないものだ。」

今、論語を読むと、古臭いと思う部分もある。しかし、もちろん今でも役に立つ部分が多くある。
論語には様々な言葉が収められており、それらは人生のある時点においては、まったく必要性を感じないこともある。しかし、しばらくしたら、ずっと心に留めておかなくてはいけないだろうと感じる言葉が多い。
人生の節目節目、もしくは逆にずっと変わっていないような人生を歩んでいる時に、改めて開くことで人生を考え直し契機を与えてくれる本である。

注:私が読んだ角川文庫版は、現在では手に入らないようだ。PHP研究所版のリンクをつけておく。PHPというだけで残念ながら安っぽくなってしまうが、中身は劣化しないと信じている。

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2 件のコメント:

  1. 太平戦争前、ぼくが中学のとき、国語の他に漢文が必須科目で、漢文のテキストは原文の論語でした。今でも論語中のいくつかのフレーズを記憶しています。当時はそれなりの解釈をしていました。しかし今になってその意味合いの深さに感嘆しています。

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  2. 一度その本を読んで、しばらくしてまた読んでまた新しいことを考える。そして何故考え方が変わったのかを考えてみると、自分の人生を振り返ることになる。
    本という定点のおかげで自分がどこにいて、どこに向かっているのかわかるのかもしれません。

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