2008年1月12日土曜日

ポスドク問題の必然性

生命科学系の先生と話す。先生は博士課程進学希望者に対して、いつでも勧めるわけではなく、違う道を選ばせることもあるそうだ。先生の自慢は博士課程修了生を他の大学や研究所に出しても、何故こんな奴が博士を持っているのだという文句を言われたことがないことである。つまり、少人数でも質の担保は行っている。
では何故、博士やポスドクがこんなにも増えたか。教員からすると、どれだけ多くの博士を輩出したかが評価の一部となっている。教授になるためだけではない。教授の上には学部長、学長が控えている。確かに多くの学位を出していれば教育活動にも熱心であるように見える。人間の評価が難しいのと同様に、履歴書だけでは研究者の能力を測るのは難しいので、とりあえず学位を与えておいてそれ以降どんな道を歩もうとも(それが自殺や行方不明だとしても)、ドクターを取った後の努力が足りなかった、もしくは極端には運がなかったと言ってしまえば指導教官は言い逃れが出来る。

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