博士を止めて教員になることにしてからは、行動が早い。早速コネを最大限に使おうと方々に電話しているが、今の時期はほとんど採用がないらしい。でも、数学以外のことをやって、それはそれで楽しんでいるようだ。
三人で昼食を取っていたら、もう一人もこのまま博士進学はしないと言い出す。先生が他の大学に移られるから、彼も移動しないといけないらしい。その先生についていくのか、それとも今の大学から近いところに別の先生もいるからそこに行くのか。
数学は実験器具が要らないから理系の中ではどちらかと言うと移動しやすい分野だと思う。また、指導教員はほとんどの場合一人だし、普段は個人作業なのでまわりがどういう人間であるのかはさほど問題ではない、と思われている。しかし、まわりの雰囲気というのは私は非常に大事だと思う。分野がまったく違うにしろ同期や近い学年が何を目指しているのか、そして数学教室及び大学としての雰囲気というのは大学ごとでかなり異なる。
「先生が急に言うから、どうしようかと思うよ。」
ふと、思う。
この人たちと一緒にいる時間は意外と短いのかもしれない。
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