2010年6月27日日曜日

テレビのコント

 サラリーマンNEOの2010年6月24日放送「Trouble Shooting Girls」は「テレビのコント」の表現としてすばらしいものだった.ある事務所で田口浩正演じるクレーマーが通販で送られてきた製品に対してクレームを言っていると,対応したスタッフの一人の入江雅人が演劇を観るように言う.この劇中劇がクレーマーの文句を和らげる,という話である.
 テレビと舞台の違いは,カメラワークを自由にできるかどうかである.このコントですばらしかったのは,クレーマーの表情をたまに映すことで心境の変化を表現しているところである.また,音響や照明も事務所のスタッフであることがわかるようになっており,手作り感溢れる「下手な劇中劇」を表現している.劇中劇の演者もわざと下手な演技をしている.
 テレビのコントにおいて,普通のお笑い芸人が演じる時はカメラワークはあまり考えられていない.もともと舞台でウケたものをそのままテレビでもやろうとしているが,演者のアップは舞台ではありえないものである.スタッフも,様々なカメラワークでコントを面白く捉えようとしているが,その瞬間に「生っぽさ」を失い,代わりに「加工感」を加えてしまい,笑いに必要な「次に何が起こるかわからない感覚」を視聴者に与えることに失敗している.非常にもったいない.(演者以外の観客や司会者などの笑うシーンを入れて演者の細かな動きを捉えきれないのは論外.)
 舞台用,テレビ用,すべて面白くするにはそれ用にあわせなくてはいけない.その努力を怠ると,非常に面白いものも面白さが伝わりきらないものになってしまう.

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