2008年6月28日土曜日

パテントトロール

製造業では特許を取ることが普通であり、従業員は特許を取ることが推奨される。部署に取ってはノルマであったりする。特許は一般的には、技術侵害を防ぎ、かつ自分の技術力を内外に見せることを目的とする。強い特許はすなわち強い技術を意味するので、他企業の開発抑制もしくは他企業との協調を生み出す。
特許は普通、企業が事業を行っている分野で取得するのが普通である。
しかし、パテントトロールという会社がある。悪い意味なので自らそう名乗りはしないが、見方によっては特許権と法律を悪用し利益を上げる会社だ。
パテントトロールは倒産した会社などから特許権を購入する。そして、その特許を用いて他企業に特許侵害を申し立て、特許収入を得ようとする。相手企業としては必死に自らの特許で防御するが、そう上手くはいかない。実際、日本企業は特許の持合を行い、お互いに侵害したと訴えないようにしている。何故かというと、いちいち特許訴訟を行うのは面倒であり、ライバルといっても協調することも多いのでむやみに敵対関係をつくるのがよくないからだ。しかし、パテントトロールは自ら事業はないので特許侵害を言われることがなく、一方的に攻撃できるのだ。
このような企業は合法である。特許はあくまで権利であり、譲渡可能である。維持費も必要なので、集めればいいというものでもない。
しかしながら、私は心境として納得いかない。こいつらが偏狭に金儲けをするせいで技術開発に投入できる資源が少なくなってしまう。
法律と倫理は違う。私の倫理は私の倫理にすぎないが、釈然としない気持ちだけは書いておきたい。

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