2011年12月25日日曜日

アガサ・クリスティー,清水俊二訳「そして誰もいなくなった」

孤島に集められた10人のお互いに見知らぬ老若男女.主催者はそこにはいない.突如レコードがかかり,全員の過去の悪事が暴かれる.そして,一人が死んで・・・
このミステリーの面白いところは,探偵役がいないところである.誰もが容疑者となりうる.終盤の緊迫感は呼吸すら忘れる.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月29日土曜日

西尾維新「難民探偵」

 西尾維新が書いた普通のミステリー.過剰な言葉や,異常なほどたっているキャラはいない.きれいにおさめるという実験なのだろうか?

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月24日月曜日

ヨハンナ・スピリ作,竹山道雄訳「ハイジ」

 おじいさんに預けられた少女ハイジとそのまわりの人々との温かい交流の話.質感を楽しんでほしい.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月23日日曜日

本田宗一郎「スピードに生きる」

「個性の入らない技術は価値の低いものである。」
「知識は死んでいる。過去のものだ。知恵は生きている。いまのものであり、将来のものだ。」
「遊ぶときはには、徹底的に遊んでこそ、仕事への情熱もわくというものである。」
「進歩を運命づけられた人間の辞典には、不可能という言葉はあり得ないと私は考える。」
「昔からほんとの技術屋は、それをつくった人の思想がわからなければ技術屋として一人前でないといわれている。」
「技術屋でいちばん足りないものは技術ではない。われわれは商品をつくっているのだから、やはり人間の研究が一番たいせつだということになる。」


本田宗一郎は静岡県に生まれ自動車修理工として働くが,修理ではなく新しいものを作るようになった.メーカーに勤める人間は一度は必ず読むべき本である.これほどまでに暗誦したいすばらしい言葉が多い本も少ない.

評価:☆☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月12日水曜日

太田光「爆笑問題太田光自伝」

「だから、つくづく、”自分ひとりで、何かやってんじゃねぇんだな”と思うんです」

 0歳から35歳までを1歳ずつ振り返っていく虚実入り混じった自伝.
 後半になると表現について本気で語っているように思える.

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月11日火曜日

オルコット作,谷口由美子訳「若草物語」

人生において幸せとは何か?地位や名声を得ることではなく,愛する人たちに囲まれてすごすことである.
いい人ばかりの話は読んでいて気持ちいいな.

オールコット作、矢川澄子訳「若草物語」

評価:☆☆☆
(1-5で基本は2)

2011年10月10日月曜日

知の既得権益を壊す企業

http://cunited.jp/
この会社は学びたい人と教えたい人をつなげる事業をしている.この事業は社会の仕組みの変革を担うかもしれない.
一つ目の理由として,この事業は国家が持っていた「教育」という権力の剥奪に役立つことだ.教育は学校で行われて,国家に役立つ人材を育てるために行われる.しかしこの事業では学校以外の場所で知識の流通を手助けする.
二つ目の理由は,この事業は専門家集団で閉じられた知識とは別に,新しい知識の価値を提案していることである.専門家集団はピアレビューで質の担保を行いつつも,悪い面として自分たちの考えに合わない思想に存在価値を与えてこなかった.この事業は知識の権威付けから逃れて,知識の受け渡しをするごく小さな小集団の中で知識に価値を与えている.専門家集団の知識は現在非常に高値で取引されている.学会に入らなければ知識は手に入らず,論文誌は非常に高価なので個人で読むには経済的負担が大きい.にもかかわらず,大学には多くの税金がつぎ込まれている.それに対して,この事業では運営会社が知識の値段をつけて,専門家集団とは別のローカルナレッジを上手に流通させている.一般にローカルナレッジはローカルでおさまってしまって,必要とする人間が発見するのが難しい.よって埋没してしまっていた.この事業は,市場に出す知識を見つける,市場をつくる,がポイントであろう.
知識の既得権益に対抗して,新たな市民社会の創生のための知識の流通がより活発になることを期待する.